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2019-03-26

【脚本研究会】3月定例会報告

【日 時】平成31年3月2日(土)8:50~12:00
【会 場】成城学園 澤柳記念講堂
【参加者】今井・新保・入野・久保・山本(留)・小宮(計6名)

3月の脚本研究会は、成城学園初等学校「第207回 劇の会」を観劇しました。
 「ジャーン、ジャーン」
劇の会は銅鑼の音で開幕!児童による4作品と、教職員劇『学級へいさ』(作:加藤陸雄)、合わせて5作品が上演されました。観劇後の感想を、参加者の皆さんの声からまとめました。

※青字は『劇の会パンフレット』より引用・抜粋したタイトル、作者、あらすじです。

◇3年桧組『春のカーテン』
(作:木村大望)
 「カタカタ森」という名前の森で、女神やせいれい、森の動物たちによるカーテン会議が開かれました。四季おりおりに合わせたカーテンを、選ばれた動物たちが作ります。動物たちは、春・夏・秋・冬のカーテンのじゅんびで大いそがしです。
ところがある日、大変なことがおこりました。おっとっと、それ以上はお楽しミーンでしたね。

 季節の変化をカーテンで表すのが素敵な設定で、「どんなカーテンなのだろう。」と観る側もワクワクして待った。色鮮やかで(色は大事)、舞台に春が来たなとほのぼのさせられた。また、舞台装置が固定されているのも3年生には動きやすい。雲の装置も素敵で吊りバトンがあることは羨ましい限り。3年生の子ども達は「表現したい!」という意欲に溢れていたが、きっちりと台詞劇だったので、もっと「あそび」があってもよさそうだ。登場人物(シカ・クマ・リスなど)に合わせた「カクカクシカジカ…」などの台詞は、教室で練習している時はノリノリで言っていたかもしれないが、広い舞台とホールゆえに、リズムよく声量で聞かせるには難しかったかもしれない。あそびは、もっと自由な発想でよいだろう。


◇4年楓組 『ありとキリギリス』
(作:イソップ 脚色:武田恭宗 潤色:菊地良幸)
 暑い夏の間、食べ物を運んでいるありたちの姿がありました。冬に備えて必死に働いているのです。その一方で、キリギリスたちは毎日歌ったり踊ったりする生活を送っています。寒い冬の季節がやってくると、冬の準備をしていなかったキリギリスたちは、おなかを空かせて凍える毎日を過ごすことになりました。さて、キリギリスたちはいったいどうなるのでしょう。 

 アリもキリギリスもグループとして集団で演じているのだが、そんな中にも、アリの9番、おしゃれなキリギリスなど、それぞれに個性が現れていた。台詞がないときでもよく動き、反応があり、両者の対比がどんどん鮮明になった。キリギリスの「ジジ(おじいさん)」「ババ(おばあさん)」を登場させ、溺れたアリを助けて改心した過去の回想シーンがあり、若いキリギリスたちとの対比もおもしろい。溺れる波の表現が舞台効果として美しい。ストーリーはイソップのお話通りだったが、「原作はどんなラストだったか?」と話題に上るような、参観者にとっては意外な展開で幕が閉じた。女王アリの一言はずっしりと重く…。

◇5年椿組 『将来の夢~夢を追う子どもたち』
(作:大友美幸[椿組児童])※児童創作劇
 小学生のアカリ、ハヤト、マイ、トオルには将来の夢があります。将来の夢の作文を書いている4人。作文が上手に書けない彼らの前に将とライという妖精がやってきます。妖精の力で4人は未来へ出かけていきますが。4人の夢は叶っているのでしょうか。みなさんも自分の将来について考えてくれたら嬉しいです。

5年生という微妙な時期の子ども達にピッタリと合っている。将来への思いを語る言葉も等身大でかっこいい。4人の登場人物が中心だが、それぞれの夢にも悩みにも個性が現れている。今の自分と未来の自分との出会いも楽しい。自分たちで場面転換する舞台装置はシンプルで、それほど込み入った場面設定ではないけれど、全体を通してまとまりがあるのは、伝えたいことはこれ!という共通の目的に絞っていった構成の力だろう。

◇6年柳組 『歌よよみがえれ』
(作:1984年合唱部児童 脚色:加藤陸雄)
 もうすぐ卒業!卒業前の合唱コンクールに絶対優勝したい!だから、朝練しない?ところが、クラス全員の気持ちはなかなか一つにまとまらず。そんな時、歌を禁止されたアルバーナ王国に入り込んでしまった子ども達。果たして歌を取り戻すことができるのでしょうか。                             

 1984年(35年前!)に書かれた作品だが、壁を乗り越えるという要素は、やはりドラマになると実感した舞台。ある女の子(合唱部員の一人)の泣き顔は美しかった。同じくなおや(合唱部員)の振る舞いに感心した人も。音楽の効果が表れていて、歌のもつ力が感じられた。曲、歌詞共に子ども達にも脚本にも合っていてジーン…泣いてしまった人は数知れず。ラストに出演者みんなが歌いながら手をつないだのは、段取りではなく自然発生だったのではないだろうか、素敵なシーンだった。

◇ 児童による創作劇については、前号の通信でも脚本研究会から報告されていたが、その楽しさがここでも話題に上った。5年生の作品は、大人が引っ張る劇ではなく、自分たちがやりたいことをもっていて、伝えたいという思いがストーリーに表れていた。脚本だけを読むとよくわからないものが、舞台に滲み出ていたのではないだろうか。「構成の力」と前述したが、子どもが創作することをおもしろがれること、先生に段取り力があることが、創作劇の完成までには大切ではないだろうか…それには、かなりのエネルギーが必要だが。今回の作品は場面が分割されているので、練習もしやすく、子どもたちが短期間でいろいろなアイディアを出して作っていけそうだという意見もあった。クラスで劇を演じると、クラスの様子が浮かび、教師と子ども達との関係も見えてくる。創作劇なら、なおさらであろう。

◇ 「アリとキリギリス」は、ハッピーエンドでは終わらなかった。児童劇はハッピーエンドで終わりたいという思いもあれば、考えさせる終わり方であって良いという意見もある。ラストシーンで何をどう描くのか、これからの脚本研でも注目してみたい。

◇ 学年それぞれに違いや味があり、あっという間の3時間であった。6年生の劇は「集大成」という感じが伝わってきた。上演学年が上がるに連れて、ざわざわしていた低学年の子も引き込まれていく姿が印象的であった。劇をする目標が「上手くなること」に留まらず、「劇を演ずるチャンスは、みんなにある」と子どもたちが思える場があるのは、本当に理想だ。成城学園初等学校の子ども達、教職員の皆様、本当に素敵な時間をありがとうございました!4月にも劇の会が予定されていますので(前号同封のチラシ)、みなさんも、是非足を運んでみられてはいかがでしょう。
            【文責:小宮】

*次回の脚本研究会は、翠会と合同で行います。
4月13日(土)14:30~ 会場:代々木オリンピックセンター

2019-02-13

【実践研究会】12月定例会報告

【日 時】12月8日(土) 15:00~17:30
【会 場】成城学園初等学校 小会議室
【参加者】林、岡、今井、新保、木村(も)、坂田(私学学校関係)、関口(計7名)

☆研究会の内容☆
今回も豪華3本立て!!

◎実践報告「劇の授業を見てみよう!」
(湘南白百合学園小学校6年生を対象に)
 まず最初の発表者は関口 穣太郎さん。関口さんが私学の関東地区教員研修会で湘南白百合学園小学校の6年生(担任は新保さん)を対象に学校劇の公開授業と、その授業を見学者が追体験するワークショップを行ったのでその報告。
 授業のねらいは「劇活動を通し、友達と楽しく関わる中で、人と交流することの楽しさを実感し、自分の知らなかった友達のすばらしい一面に気が付くことができる。」だ。
 最初に2つのほぐしを行った。1つ目が「1・2・3ゲーム」。2人組で1~3までの数字を数えていき徐々に1が手を叩く、2が指鳴らし、3が足踏みという風に動作化する。2つ目が「カウントゲーム」。6人組で輪になり1、2、3を指さしながら言い合いこれも前述のゲームと同じように動作化する。参加者でやったところ、大人でも十分に楽しめる!
 皆の心も温まったところで主たる活動「○○な××ゲーム」を行った。内容は『性格を表す言葉』と『人物』が示されたくじをグループごとに引き、そのくじの内容を主人公にした即興劇を考える。即興とはいっても10分ほどグループで相談する時間をとり、発表時間は2分とした。子ども達は「おっちょこちょいな桃太郎」「陽気な医者」など6つのお題を精一杯演じた。振り返りから「友達の意外な一面が知れた。」「今までそれほど関わらなかった友達とも、目的のために、話し合うことが大切だと学んだ。」などねらいに沿った振り返りも多くあった。

<話し合いより>
・心ほぐしは主たる活動に関連するものであればよりよかった。例えば「ついてこない
 でゲーム」などの感情表現を伴うゲームなど。
・グループを回っているときに何を考えながら見ていたのか。
・学校劇部会では、今年度初めて、他校のクラスでの公開授業を行ったとあったが、関口さんが選ばれた経緯はなにか。
・学級の実態は?今までどの程度クラスでは劇に慣れ親しんでいたのか。

◎実践報告「6年生における上演指導を振り返って」
(2017年11月の実践)
  2本目は今井 洋助さん。去年の11月に6年生3クラスで行った『ユタと不思議な仲間たち』の振り返り。この劇のねらいは「みんなは一人のために、ひとりはみなのために」という友情のテーマを感じさせることで、友達の大切さに気付いたり、集団内での自分の行動について振り返ったりする機会にしたい。中でも印象的だったことが、ユタ役の女の子が、「このシーンはもう少しジェスチャーを加えたり、もっと舞台中央で演技を行いたい」と主張し、教員がそのアイディアを取り入れた事で、自信につながったという報告。劇活動が子どもの能動的な動きを引き出すうえで重要であることを再認識した。

<話し合いより>
・毎回、劇の振り返りを行ったことが良かった。
・練習の前にイメージを膨らませるねらいで、劇団四季が演じているDVDを視聴した
 とあったが、逆にそのイメージにこだわってしまいそれ以上のものができなくなるの
 ではないか。
・ユタ役の女の子の振り返りがあれば、よりイメージがしやすかった。


◎実践報告
「人形を使った表現活動の教育的な効果について」
 3本目は岡 信行さん。「人形を使った表現活動の教育的な効果について」報告を頂いた。人形は低学年にしか活用できないのではという私の無知な考えは見事に砕け散った。例えば6年生の実践では、朝自習の時間に、一生懸命1年生の世話をしていたものの、すぐにネタが尽き、困り始めていた。そんな折り、校内研究の柱の一つとして、表現活動に取り組むことになったので、6年生全員でパクパク人形を作り、1年生の教室で上演。それが子どもや先生方にも大好評で6年生にとっても貴重な経験になった。この他にも様々な実践を惜しげもなく報告してくださった岡さん。子どもに寄り添うことと一つのことに真摯に向き合い突き詰めていくことの重要性を改めて感じさせられた。

<話し合いより>
・今までの実践を書籍化してほしい。
・岡さんの授業風景やどのように人形が飾られているかを見に行きたい。
・岡さんのユーモア溢れる子どもとの関わりを参考にしたい。
【文責:関口】

<次回予告> 運営担当:藤本さん
2月23日(土)15:00~17:30 成城学園初等学校仮校舎
活動試行 「学級活動の進め方 or 特別の教科「道徳」の進め方」(藤本さん)
実践報告 1年生の教室での劇あそび(野口さん)
実践報告 演劇クラブの活動紹介(新保さん)
※会の終わりに、来年度の活動計画について話し合います。運営委員は、来年度の予定が
わかるものを持参してください。
 今年度締めくくりの実践研です。2月の広報になりますが、ぜひ予定に入れてください!

2019-01-14

【こまの会・こんぺいとう・劇作の会】12月合同合評会報告

【日 時】2018年12月1日(土)14:00~17:00
【場 所】エデュカス東京(全国教育文化会館)
【参加者】高橋・吉川・中山(直)・中山(れ)・柴田・森口・黄瀬・藤野・鈴木・安斎・藤崎・宗像・塚田・山本(茂)・金平(純)・千野・蒔田・保坂・小宮 
(こまの会60周年を祝う会より参加 木俣・石坂・森田・林・大垣・米田)

◯あいさつ
(こまの会:吉川さん、こんぺいとう:藤崎さん、劇作の会:山本さん) 

1.『われら くの一 六人組』(小学校高学年・中学生用)
作:安齋 正則(こんぺいとう)
<作者より> 歌舞伎の手法を取り入れ、その手法を生かした舞台や演出を工夫できればと考えた。アクション シーンも入れ、動きのある作品にした。教職を退職したこともあり、いろいろな制約にとらわれず自由に楽しんで書くことができたと思っている。

・娯楽性にウエィトがかかっている脚本だが、楽しんで書いたことが伝わってくる。
・「テーマを中心に」とか「作者が伝えたいことは何か」といった視点で脚本を考えてきたので、遊びや動きをメインにした脚本でいいのかと思う面もある。
・学校で上演される劇も、表現を楽しむという作品が増えているので、面白く拝見した。 ・いろいろな格闘技のシーンが出てきて、忍者らしくないところが面白い。
・生演奏が楽しそうである。
・演じるのにものすごい技術が必要で、中学校の演劇部などで演劇に親しんでいる生徒なら表現できるか。
・会話に出てくる言葉が難しい。時代劇として成り立たせるためには、時代考証もしたほうがよいだろう。
・「女の子はこうでなくてはならない」という価値観を表す台詞の使い方は考えたほうがよい。「(登場人物の)自分たちはやりたいことをやる」という成長物語とか、しきたりに縛られない女子像を描くことができれば、テーマにもつながる。
・習い事から逃げてくるシーンをいれると、そのしがらみとの対立が出るだろう。
・ドンデン返しのシーンがあれば、娯楽性と作品のテーマを両立できるのではないか。 

2.『せせらぎ太郎』(4年生用)
作:千野 隆之(劇作の会)
<作者より> 勤務校の4年生のために書き下ろし、学校創立40周年記念行事で上演した。周年行事のテーマが「未来へつなごう」であり、「過去と未来をつなぐような作品を作って欲しい。」という依頼から、学校のせせらぎ観察園とからめて着想した。
・周年行事であることからか、説明調のセリフは多いが、くすっと笑える部分もあり楽しい作品になっている。

・周年行事全体のプログラムの一部として上演されているのなら、まとまっていてよいと思う。単独の作品として見ると、40年前からの写真や映像なども盛り込むと、より共通のイメージがわくのではないか。
・今と昔のシーンの違い(例えば、遊んでいる子どもたちの遊びの違い)などを入れると時代の変化もわかりやすいのではないか。→遊びは、もう、40年前とそれほど大きく変わっていないのではないだろうか。
・一つのよい物語になっている。竜宮城に支店があるなど、発想が楽しい。
・劇中に出てくる「玉手箱」の扱い方…持って帰らない、いろいろなバージョンの玉手箱がある、タイムカプセル的な意味をもたせる…などの工夫で、「玉手箱は結局どうなったのだろう」という観客の疑問が解決されるといい。

3.童話劇『ピーターパン☆』(1年生から3年生用)
作:たかはし ひでかず(こまの会)
<作者より> 学芸会で「ピ-ターパン」を上演したいという1年生の先生からの依頼で書いた。原作はとても長いが、改めて読むといろいろな要素が入っている物語だとわかった。初めて劇を演ずる子どもたちに「劇って楽しいな」と感じてもらえればと、今の子どもたちに合わせて書いてみた。これまでに数回上演されていて、 途中で役を交代しながら90人ぐらいで上演されたこともある。

・ピーターパンのお話全体を味付けしながら紹介している感じがする。どこかの場面をメインにして作り、深めることもできるのではないか。
・名作を知らない子どもたちは多いので、知るチャンスになる。
・低学年が楽しめる脚本だが、劇づくりの過程でどんな遊びを入れたら、劇としてのピーターパンにつながるだろうか。 →(作者より)実際には、ワニたちのラップ(調で言うセリフ)は楽しんでもらえた。上演までにどれだけ遊びの要素が取り入れられていたかはわからないが、「遊び中心」というより、台本通りに指導する。
・上演すると先生方は思うようだ。そのため、自由に台詞を考えてもらう場も作ったが、<例えばどんなセリフか>と例を示すことが必要だった。
・繰り返しのある台詞や歌、踊りがあり、子どもたちが楽しめそうである。支援が必要な子どもたちにも取り組みやすそうだ。台詞回しがいい。
・原作にも出てくる「かげぼうし」が縫いつけられたり、真似して動いたりするシーンが面白い。
(作者より)ピーターパンを空中で飛ばしたかったが、高いところへ登ったり、ターザンロープなどを使ったりする演出はNGになりやすい。
・練習中に、ピーターパンごっこで飛んだり跳ねたりを体験してみることができるのではないか。それが遊びにつながりそうである。 

 平成21年(2009年)より始まった三会合同合評会は第十回目を迎えました。それぞれの会で受け継いで きた先輩方の理念や情熱は、今も、脚本研究や創作活動を続けているみなさんや私たちへとつながっていると感じます。今年は合評会後に、こまの会・60周年を祝う祝賀会も催されました。60年間のあゆみの紹介、思い出を語る、アトラクション…お祝いの歌や朗読など、様々なプログラムが次々に進められ、合評会と合わせて楽しく有意義な時間を過ごすことができました。

【文責:小宮】

次年度の合同合評会は、2019年12月7日(土)に開催予定です。劇作の会担当となりますので、是非ご参加ください。

2018-11-23

【実践研究会・翠会】11月定例会報告

翠会と合同研究会。

 森公洋さんの脚本検討は、内容面に限らず、劇作法にまで話が広がった。子どもたちと、どう劇を創っていくのかという根本的な問いを自問自答してみたいと思った。脚本の在り方と演出の在り方は、密に結びついている。脚本の創作の過程も、形式も、多様であっていいと思う。が、子どもが演じるということ、その脚本を通して子どもが成長していくのだということは、忘れてはならないだろう。

 さて、実践研究会の番となった。発表者は、西脇正治さん。まずは、表現あそびで、体と心をほぐす。参加者2チームに分かれて、「だんだん~になる」を行う。見ている方のチームは、相手の「~」を当てるという仕事がある。

 それにしても、みなさん、体がよく動きます。ゲラゲラ笑いながら、テンションもアップ!続けて、木村たかしさんが、「なにやっているの?」という表現あそびを提案。通常バージョンで、順にやった後、全員参加型のバージョンでやってみようということ。
 例えば、「動物園で、動物を見ているの。」と言えば、みんなが即興でいろいろな動物になったり、お客さんになったり、迷子が現れたりと思い思いに、その場面に参加していくのである。この活動も大いに盛り上がった。聞けば、木村さんが担当しているクラスの高校生たちと学校宿泊をした時に、自然発生的に生まれた遊びだそうである。ぜひ、クラスでもやってみたいと思った。

 そして、本題の実践発表。会員の澤田麻美子さんに教えてもらった活動だそうで、気に入って年度に2回ほど行っているとのこと。

(活動の要旨)
①クラスメートのカードをアットランダムに引く。
②引いたカードに書いてある友達を2週間にわたって、見守る。(天使になる)
③その友達のすてきなところ、すばらしいところを発見していく。
➃友達のよいところを天使のハートカードに書き、プレゼントする。
⑤もらったカードのメッセージをもらった本人が読み上げる。
 これも、実際に参加者同士でやってみたが、カードには、すばらしいほめ言葉が書かれていて、とてもうれしい気持ちになった。また、相手のよさを書くのも楽しい活動で夢中になってしまった。みんな、ほめたりほめられたりして、温かい雰囲気になった。
 ほめ方も、人それぞれで興味深かった。例えば、
「本当はえらいんだけど、えらぶらない。」(だれでしょう?)
「声がやわらかい。表情がやわらかい。体もやわらかい。」(だれでしょう?)
など、短くてもインパクトがあって記憶に残った。うまいと思った。

(話し合いから)
・表現活動は、短い時間でその場限りで完結するものというイメージだ。しかし、この「シークレット天使」は、2週間にわたって活動は続いている。ロングスパンで、意識が継続していくことがいいと思った。実際に子どもたちの気持ちがどう変容していったのか、(成長したのかを)もっと知りたい。
・天使がメッセージを読み上げるのではなく、もらった本人が読み上げるのも、有能感を刺激していいと思った。
・学級の人間関係がうまくできていないと、この活動はむずかしい。心を傷つけるような言動も起こるかもしれない。
・書ける子と書けない子との差が大きい。教師が個別相談に乗って指導するのもOK。
・「ほめことばのシャワー」もそうだが、こういう活動はマンネリになると、意味がない。しっかりと教師がねらいを持って活動にあたるべき。

 西脇さんらしいとてもハートフルな実践発表であった。

<次回の実践研究会は!>
12月8日(土)15:00~17:30
◎活動試行「学級活動の進め方or道徳の進め方」(関口さん)
◎実践報告「上演指導を振り返って ユタと不思議な仲間たち(6年)~学芸会によって育てたい児童像~」(今井さん)
◎実践報告「ソックスパペット人形劇どんぐり広場は大騒ぎ」(岡さん)

【文責:野口 祐之】

【翠会・実践研究会】11月定例会報告

「ちょっと脚本書いてみたいのだけど・・・」
「学芸会で自分の脚本を上演してみたい!」
「自分で書くのは、まだまだだけど、他の人の脚本を上演してみたい・・・」
あまり構えず、しかし脚本について勉強してみたいメンバーが集まる会です。

【日 時】平成30年11月17日(土)14:00~
【会 場】成城学園初等学校 仮校舎
【参加者】木村 長谷川 金平 林 岡 野口 山田 西脇 金岡 森 新保 林(玖) 芦澤 (13名)
 
<翠会報告>
☆「出てこい!五色鯉」 4年生用脚本
作:森 公洋
〜作者より〜
・川崎の学芸大会用に脚本を依頼され書いた作品。2年前にも、「天狗とかっぱ」という作品を作った。
・11月8日 ホールにて発表を終えている。(25分) 11月末 保護者向けに体育館にて発表予定。
・夏の研究会で書いた作品。森田氏にアドバイスを受けた。
・4年生 85人。担任からの依頼は、女子が多い学年で、表に出たがらない子供たちを出していきたいということだった。出すぎずに、ちょうどよいテンションで演じたいとのこと。
・学校の前に五反田川があり、そこの生き物の話を作った。
・脚本がやや長くなったので、ショートバージョンとして、説明を少なくして、映像を使った。

〜話し合いから〜
・展開を簡潔にまとめると、どういうことなのか
→五色鯉を飼うために捕まえに来たが、きれいな環境でないと鯉は出てこない。
 隠れて様子を見ている子供たち。そこに生き物の3つのチームが出てくる。
  引っ越しチーム(汚い水には住むことができない生き物)
  居残りチーム(水が汚くても住むことができる生き物)
  お悩みチーム(引っ越すのか残るのか悩んでいる生き物)
 最後に子どもたちがいることがばれてしまう。

・五色鯉はなぜ表れたのか
 →子供たちが、自分たちが汚していることに気付く。それで、出てきた。掃除をしようと動き出した子供たちを見て。

・あかたは何をしたかったのか
 →あかたは、五反田川を見守ていた。子供たちのことを応援していく。

・子供たちに伝えたいことは何なのか
 →これからきれいにしようと気付いたことを伝えたいのか。そうだとすると、子供たちの力では、解決が難しいのではないか。水源まで話を広げてしまうと手に負えないのではないか。

・川の生き物が、子供たちを責めるのではなく、子供たちが現状の生き物たちの姿(けなげに生きている)を見て、気持ちが変わっていく方が良いのではないか。自分たちから、生き物たちのために、行動できるのは、脅されて行動するのではない。

・お地蔵様の意味は?
 →あかたは、地蔵様の化身。身に付けているものを同じにしている。

・初めに出てくる五色鯉の看板は、誰が作ったものなのか。
 →お地蔵様、または、昔の人なのか。

・最初の看板の謎解きのようなドキドキが、責められて終わっている。
 →ぜひ、この謎解きのかんじを最後まで通したい。
 →謎解きは昔話風だが、現代劇になってしまう違和感がある。昔話風にするには、川がもとに戻るかもしれないという夢にしたい。現実では、子供の頑張りだけではきれいにするのは難しい。

・川を汚す原因は、水源林、ごみ、生活用水。下水処理が行われるようになって、ずいぶんときれいになった。(まだ、清流には遠いが)

・昔は五色鯉が泳いでいた。しかし、家が建って汚くなってきた。今、改善してきたが、五色鯉はまだ、出てこない。

・護岸工事がされたころの川の様子を調べてみるとよい。

・子供たちから事前にどんな劇をしたいのかアンケートをとった。地域の自然を入れたい、川のことを入れたい、などが出された。また、3,4,5,6年生は総合の学習で、様々な自然を調べている。

・今、自然に戻そうとする動きがある。護岸工事から土に戻す。

・音楽の使い方について。自己紹介や気持ちを表現するのに使っているが。
 →子供たちが苦労していない。知ることにとどまっている。ドラマ性がないので、音楽が薄い。音は感情表現に生きる。

・脚本には、細かな人物の設定を書かない方が良い。それが分かるようにせりふや動きを書くのがベスト!筋が分かれば、演出は入れない方が分かりやすい。細かく書くと子供の演技より脚本を見てしまう。また、細かいセリフは子供たちに考えさせる。いらないセリフはカットする。

・脚本は、一つの大きな問いである。書くことで問いの答えを見つけていく。

・演出(体育館)について
 →①ランウエイを作る。②ひなだんとフロアー。③客席はマット。
 
 合同研究となり、参加人数も増え、にぎやかな研究会になりました。また、脚本の基本的な考え方なども教えていただき、とても有意義な時間となりました。11月末に体育館での発表が行われるようですが、今回の様々なアイデアを活かして、ぜひ楽しい舞台を作ってほしいと思います。(文責 芦澤)

◎次回の翠会は・・・
2月16日(土)15:00~成城学園初等学校 仮校舎作品を募集しています。
(12月、1月の翠会はありません。)

2018-10-22

【翠会】8月合宿報告追加

1日目 8月25日(土)作品ゼミ

☆高学年クラブ用脚本 『綱引き村』
作:蒔田 敏雄

〈作者より〉
 集会時等に演劇クラブとして発表したい。発表時間は、20分程度。
〈話し合いより〉
・綱引きは、どちらが勝っても良さがあるようにしてほしい。カッパと村人の民話風の話、両者が仲良く平和に暮らしているなど、温かい話にするとよい。
・途中で、子ども達が今年は勝ちたいとやったことで事件性がある。そこを生かせないか。
・蛇は悪役として出てくるが、蛇は神様になったりもするので蛇でなくてもよいかも。
・蛇が川の中で暴れて川の水があふれてしまうのは?蛇が川を堰き止めてしまい、水があふれることはあるかも。蛇が毒をはき、川の水を汚すというのはどうか? などなど蛇の登場についての多くのアイデアも出されました。           
【文責:久保由美子】

【翠会】10月定例会報告

【日 時】平成30年10月6日(土)15:00~17:30
【会 場】成城学園初等学校仮校舎 小会議室
【参加者】金平純、木村た、久保、二見、長谷川(5名)

☆中学年用『プレゼント』
作:金平純三
<あらすじ>
 お誕生日会の練習を公園でする子ども達。ひろみが両親から聞いた昔話を始める。運転手だった父親が誕生日にくれたのは特急のメロディー。電車好きのゆうじの誕生日プレゼントに考えられたのは?

<作品について>
小1教育技術8月増刊号に掲載された作品。書き直しのため、翠会にかけたので、できあがった脚本を読んでもらった。ロマンスカーという特定名称を特急に直している。劇中劇で父が子どもの頃のことを入れた。
<話し合いより>
・謎解きのように話を引っぱっているのが良い。陸橋の手すりの設定が舞台上面白い効果を出している。(舞台手前と奥に手すりがあり、その下を列車が通り抜けることになっている)
・昔の場面と現在の場面の差をはっきりさせるために工夫が必要だったか。明確に時代が変わったことが分かった方が良い。はやった曲を流す?スーパーマリオごっこをしている子が通る?その頃のコマーシャルを出す?プラカードで30年前等と出す手もある?

☆劇遊び用『おおきなかぶ』『赤ちゃんじまん』
作:長谷川安佐子
<あらすじ>
 大きなかぶでは、シーツをかぶの葉っぱとかぶに見立て、赤ちゃんじまんでは、防災ずきんを赤ちゃんに見立てて親達のわが子じまんと赤ちゃんの泣き声を劇遊びで楽しむ。

<作品について>
 見立て遊びは、よく導入として使われているが、全く初めての人に説明するのは案外難しい。簡単な脚本を渡してそれを経験させることが良いかもしれないと考えて、シーツ、新聞紙、縄等で短い、すぐ取り組める物を何本か書いてきた。今回はシーツと防災ずきん。
<話し合いより>
・真っ白なシーツでなく、色つきの布やしまの布などがあれば違ったおもしろさが出る。
・カブの子が登場するのは良い。「まだまだ」とかのセリフを入れると良いのでは。最後が記念撮影になっているので、カブの子のセリフが合図になるとスムーズ。
・ねずみのセリフがあった方が良い。
・赤ちゃんごっこは低学年の子は好き。泣き声も喜んでやりそう。ミルクをあげたり、おしっこしてしまったり、がらがらであやしたりする場面があってもよい。

☆異学年用『虹がくれた宿題(仮)』
作:二見恵理子
  <プロット>
   6年のななおたちの卒業研究は「虹」。ふたご山に研究の相談に来た子ども達。町には虹がふたご山にかかると幸せが訪れるという言い伝えがある。そこへ怪しげな「虹にじ研究所」の博士が「本当は虹は六色」と書いた冊子を配っていった。調査を始めた子ども達。レインボーハンターと名乗る人物から研究所の野望を阻止する手助けを求められた。どうなる?

<作品について>
 4年以上の異学年の子達で20人位の劇を考えている。全体主義でなく、いろいろな意見が大事ということを物語にしようと思った。最近では「虹は6色」が定説になってきたらしい。7色と教科書に載っていても違ってくることがある。
<話し合いより>
・理屈っぽく長くなりそう。セリフ劇になってしまいそう。
・研究所は何をするところ?人工で虹を作る?何のための対立か明白にする。
・人種によって認識する色がとんでいるらしい。素材としてはおもしろい。ただ虹を舞台に出すのは相当難しい。
【文責:長谷川安佐子】