2011-02-13

2/5 翠会 定例会報告

【日 時】平成23年2月5日(土)14:00〜17:00
【会 場】成城学園初等学校 小会議室
【参加者】北島、木村、久保、土井、長谷川、蒔田、山本(留)、百合岡 (計8名)

①斎田先生の作品紹介『ママの口紅』
○中学生向き。昭和28年頃に発表されたもので、斎田先生の作品としてはちょっと珍しいもの。戦争未亡人とその息子・娘の話。
・時代背景をまず理解しなければ。間借り・押し売り・戦争未亡人・傷痍軍人・・・など今の生活からはなかなか想像しにくく、今の中学生には分かりにくいだろう。
・玄一を置いてきたのはご飯を食べさせられないから?りえ子に高い月謝でピアノを習わせるのは昔の自分のような贅沢な暮らしをさせたいから?母の経済状況がよく分からない。
・玄一と母・りえ子とはどのくらいの頻度で会っているのだろうか。母と苦しい生活を送っているはずのりえ子は屈託がなさすぎるのでは?玄一も自分の思いをしゃべりすぎているような印象。
・離れ離れになった親子が久しぶりに再会した時に、既にそれぞれの生活ができてしまっていてうまく噛み合わない・・・という点で現代にも通じるテーマがある。
・「口紅」は何を象徴しているのか?劇中で二回も口紅をつけるシーンがある。
・昭和23〜30年頃は住宅問題が深刻だった。アパートを借りようと思っても借りられず、一軒家の女中部屋を借りたりしていた。女の人が口紅をつけるのは日常的ではなかった時代。ここでの「口紅」は、日頃の鬱憤を晴らし、自分自身を解放しようとする象徴か、また男に頼らず一人で生きている気概みたいなものの象徴なのでは。
・戦後、上野の地下道には戦争遺児の浮浪児がいっぱいいた。外食券制度、お米の通帳・・・お米が自由に手に入らない時代。宿泊行事にお米を持参したりした。
・私たちには書けない時代背景の作品。戦争の時代の話をもっと伝え合う必要性を感じる。
・実際に戦争に行った人はなかなか話したがらない。刷り込み、教育の恐ろしさを戦争体験者は知っている。小さいころに叩き込まれたことはよほどのことがない限り変わらない。

②中学生クラブ用脚本『静かの森で』
作:山本留実 (○と→は作者から)
○戦争によって森の静けさが破られ、普通にあったはずのものたちが消えていく。ここで登場する妖精は自然の代表者。でも、たとえ消えてしまっても、同じことが繰り返されても、また再生されていくのだという希望も描きたかった。平和というものを意識して書いた。
○ヘリコプターの大編隊が通る緊急事態のシーンは、作者の実体験によるもの。何十台というヘリコプターが突然すごい大音量で通り過ぎ、戦争か!?と思った。その体験がこの作品を書くきっかけになった。
・前半の遊びの部分が長すぎる印象。また、最後が戦争というのがやや唐突な印象。妖精にとって自分たちの生活を脅かすのは人間の戦争でなくてもよいのでは。
・この劇を演じる子供たちとそれを見る観客に、自分の描きたい世界を分かるように伝えようとして描いているか?分からなくていいと思ってはいないか?
→脚本にしては伝わらない部分が多いが、舞台としては感じ、伝えられていると思っている。中学生と一緒に考えながら作っている部分もある。台詞はきっかけであり、演じる人に預けている部分も多い。
・脚本に書かれていない部分の物語の背景などが多いので、他の人がこの脚本を扱おうと思っても難しい。ト書きなどでもっと説明する必要がある。
・脚本と台本の違いでもある。これは台本であり、脚本として読めるものにつくっていく必要がある。現実的にこの台本の中だけでは読み取れきれない。舞台を観るとわかるのだが…。留実さんが描こうとする世界をより普遍化する方法はないのか? 
・この脚本を子どもたちにやらせるよさは何か。まずは子どもに分かるように書かなければ。
→子どもに対しては一緒につくっていこうという意識でやっている。「妖精ものをやりたい」「妖精ってどんなイメージ?」「この子だったらどう言うか?」などといろいろ意見を出させ、形にしていく。だから、子どもたちは理解しているし、舞台としても伝わるものになっている。ただ、観る人の年代によって受け止め方の違いはある。
・キャラクターの設定がアニメ世代の雰囲気。その年代の子たちには分かりやすいだろう。
・作家の方向性というものもある。万人に理解してほしいと思って書く人とある年代にターゲットを絞って書く人とで書き方は違って当然。これは文化祭上演を目標にしているもの。

③クラブ練習用台本
『落し物』『どっちにするの』『バレンタイン』

作:土井彩子
○クラブ活動の合間のちょっとした時間にやるもの。発表会が終わった後や、ある学年だけでやる時など、計画外の時間に扱えるものがほしいと思ったので書いてみた。
・『どっちにするの』…「お楽しみ会で何をやるか?」意見が対立する男子と女子に、どっちにもいい顔をしてしまう男の子のストーリー。脚本としてふくらませると面白くなりそう。追い詰められた子はどうするか?当日欠席?折衷案を出す?まったく自信がなくて自分の意見を言えない子が変わっていくという話にするか。「明日学級会でどうしよう?」と追い詰められるところからストーリーを始めるか?
・子供たちに考えさせれば面白いアイデアが出るのでは。学級会の投票の仕方(みんなの前で挙手?無記名投票?)によっても変わるかも。
・台本があった方がいいのか?『落し物』では、「さいふが落ちている」というシチュエーションだけ設定して、即興でさせてみたらどうか。
・慣れていない子どもたちにとっては、初めは台本があった方がやりやすいのではないか。限られた回数で継続した活動ができていない中で、また自分の考えをなかなか述べられない子どもたちにとっては、即興で物語をつくるのは難しい。
・半分くらいの台本にしたり、シチュエーションや登場人物だけを設定しては?
・クラブの合間の時間の活動として、立ち止まる、振り返る、など身体を使った遊びをすると練習になる。

【次回】3月の翠会はありません。4月は劇作ゼミとの合同になります。
(文責・百合岡)

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