2014-09-01

【第62回演劇教育夏期大学】第6分科会「演劇的アプローチで教師力アップ」報告

エアー縄跳びの前に、身体のズレをチェック。良い位置に乗ることを
意識する。足音を立てないことが関節を傷めないコツ。
担当者:山本留実・金岡香恵・杤本真弓

「この分科会は、美しさを求めます。」

 これは、最初のプログラム『リズムと身体を使った自己紹介』をするために、全員で円を作ってもらったときの台詞です。ちょっとしたことですが、みんなで描いた円が歪で居心地が悪かったので、演劇的アプローチの第一歩として、「人間に興味を持つこと、他者の存在を意識し、その結果として、心地よい距離を保ち、全体として美的であること」を大切にしていくという宣言をしたわけです。

激しい音楽の力をいただき、体全体を使って
ジタバタしながら進む。声を出しても良い。
前に行きつくと、息も絶え絶えになる。
ストレス発散になるが、視点を変えるとパニック体験。
息をフーっと長く吐くことによって、呼吸も気持ちも、
落ち着きをとりもどしていく。
緊迫感のある音楽がかかる。「スローモーション」
「もしも、自分が後ろから敵に追いかけられているとしたら」
「自分は誰?」「ここはどこ?」
「敵は何者?」「すべて自由!」
心の引き出しが次々と開き、創造の世界が広がる。

 こんな第一歩から、正に演劇的プログラム『短い詩の朗読:その場で覚えて発表』では、演じる側の緊張感を体験するとともに、見ている側も、全員、何か気付いたことをコメント(ルール:向上することを前提として誉めない、他の人と同じことを言わない等)することが求められるので、絶大なる集中力が課されていきます。


 参加者のさまざまな意見や視点と出会い、ともに試練を乗り越えていく過程で加速度的に関係が深まっていきます。安心できる場が自然とできていき、リラックスした対話から創造的で豊かな空気が生まれてくるということを実感し、モノをゼロから協力して創るという土壌ができていきます。

舞台の上で、声を出してみる。響きや届かせる方向を掴む。
一人ひとりが自分と向き合い、その集合体から何かが生まれる。
最終日の分科会発表の演目は、稲垣足穂の「一千一秒物語」を題材として構成したもの。台詞の振分けも、舞台を絵にすることを意識した演出も、その場で話し合って決めていきました。発表後の振り返りで、「何回も繰り返すことによって、息を合わせるのでなく息が合っていくことが実感できた。」「仲間としてその空間を共有できたことがなにより楽しかった」といった感想が、それぞれの言葉で語られました。「気づく目」「感じる心」「考える頭」「伝える言葉」が育つ環境を作っていきましょう。
【文責:山本留実】

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