「劇あそびや劇活動を通じて、子どもたち同士のコミュニケーションを深め、認め合い協力して、輝くことができる学級をつくる。」「劇あそびや劇活動を通じて、子どもたちの学習意欲を高め、子どもたちが主体的に学ぶことができる学級をつくる。」ことをねらいとして、様々な劇あそびや劇活動を学びました。劇あそびや即興劇づくりによって、人と人との関わりが深まること、学習内容への理解が深まることを子どもになったつもりで体験した2日間の様子を報告します。
《1日目:出会い》
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1日目の活動の様子 |
お互いの名前を覚え、徐々に意見を活発に交わせるようになった午後、畳語を使用した即興劇に挑戦しました。ゼロから何かを創り出すことはやはり緊張します。お題にしたい畳語をなかなか決められなかったり、劇で演じる役を決められなかったり・・・そのため話し合いが円滑に進まないグループもありました。さすが先生と演劇に慣れた学生だけあって発表間際にはアドリブや臨機応変な対応で形にしてくれましたが、話し合いがうまくいかない時の子どもたちの苦しみも経験しているようでした。初日は、参加者全員とのフリートーキングで終了しました。どうしてこの分科会に参加したのか、今学校でこういうことについて悩んでいるなどを話し合い、共感し合いながら、3日間共に学び合っていこうと励まし合い1日を終えました。
《2日目:深まり》
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2日目の話し合い活動 |
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2日目の即興劇 |
次に即興劇実習第2弾、「○○な××」の活動をしました。「怒りっぽいサンタクロース」「熱血な医者」「恥ずかしがり屋のスポーツ選手」など普通の生活ではありえないような人物のエピソードをグループに分かれてつくっていきました。即興劇のコツを徐々につかみ始め、「それだと怒りっぽいに見えないんじゃない?」「その役は私が考えたアイデアだから私がやるよ。」「このエピソードは分かりやすいから入れよう。」など他者に見せる劇にするための意見交換がグループごとに見られました。
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森田先生による理論講座 |
午後は授業に活かせる劇活動ということで、生活科「天気について」国語「ことばあつめ」「ごんぎつね」の教材を劇を使用して学びました。言葉を体に通して学ぶことでさらに理解が深まることを実感しました。「ごんぎつね」では、ドラマ技法を使用することで、ごんや加助の気持ちにさらに迫る活動になりました。また絵本を使用した劇活動にも取り組みました。いくつかの絵本の中からグループごとにお気に入りの一冊を見つけ、それを劇や劇あそびにしました。ただ絵本の内容をなぞるだけではなく、そこから新たなアイデアや表現が生まれました。
《3日目:つなぐ》
2日間の活動や前日の懇親会でお互いの心もすっかり打ち解けた仲間達。3日目で疲れもあったにも関わらずウォーミングアップや即興劇では、笑顔を溢れる活動になりました。3日目のメインは分科会発表会に向けての「繋ぐ」活動でした。今までの学びをどのような手法で繋げ、時間内でどう発表するか話し合い、練習に向かいました。今回は「夏期大テレビ」と題し、3日間行った多くの活動をテレビ番組風に繋いでいくという方法を取りました。今まで行った即興劇をブラッシュアップした後、通しの練習を行い、改善点を話し合いました。劇をつくる過程の人間関係の深まりを重視していた活動から、今度は見せるための活動へ発展していきました。参加者全員で「こうしたらもっとよくなる」という意見を発表し合い、一つのゴールに向かって練習を重ねました。発表は大成功、みんな大満足で発表会を終えることが出来ました。
子どもになりきり、いろいろな活動に参加し、発表会まで成功させてしまった第1分科会の皆さん、本当にお疲れ様でした。最後に、全員で3日間の感想交流をしました。その感想の一部を紹介します。
・童心にかえりました。児童の気持ちになったことで彼らが悩みながら活動しているということを再確認しました。つくる過程から、見せるためにどうしていけばいいかも今後考え、授業で実践していきたいと思います。
・何度も参加していますが、毎回違った発見があります。いろいろな活動の使い道を柔軟に考え、学級経営に生かしていきたいと思います。
・自分自身のステータスに向き合うことができました。足りない部分や伸ばすべき部分が見えました。
子どもたちも考え、悩みながら自己表現をしているということが体験できた3日間だったと思います。活動で感じたことを大切にしながら、またそれぞれの場所で生かしていただけたら幸いです。
【文責:古屋有子】