2015-08-15

【第63回演劇教育夏期大学】第2分科会「脚本を使った劇の上演活動(1~3年)」

<担当:百合岡・芦澤・野口>

 「子どもの主体性を引き出し、生かす上演活動」をねらいに、第2分科会では遊びから劇へとつなげていく指導方法を学びました。人間関係をつくるゲームから始まり、さまざまな表現遊びや即興劇作りで主体的な表現を引き出しながら、脚本『よかったね』(作:百合岡依子/『心をはぐくむ小学校劇2年』小峰書店)に取り組みます。以下、三日間の活動の様子をお伝えします。

<1日目>「劇づくりは、人間関係づくりから」

 初日は、あっしーによる楽しい自己紹介ゲームからスタート。「なべなべそこぬけ」「赤ずきんちゃんじゃんけん」など、手を触れたりポーズをとったりしながら、自然に心身をほぐしていきます。
 和やかな雰囲気ができてきたところで、のぐさんによる即興劇タイム。〈最近がっかりしたこと〉をテーマに話していたら、「〈がっかりした人を、どうやって元気にさせるか〉というテーマで短い劇をつくってみよう!」とのぐさん。そんなのできるかしら・・・と初めは戸惑っていても、仲間と相談しているうちに何とかできちゃいました。しかも面白い!「皆さん、なかなかやりますね・・・!」担当3人の目がキラーンと光ります。

午後は、劇をすることの「良さ」や「大変さ」「悩み」を一人一人が書き出し、それらを取り上げたり自らの実践を踏まえたりしながら、のぐさんが劇活動の意義についてレクチャー。そして、お待たせしました!ここでやっと脚本を配布。リリーのリードのもと、「よかったね♪」と劇中歌を歌ったり、振りをつけてみたりして、もっとやりたいなあ・・・というところで今日はおしまい。

 この日は、初めて出会った22人の仲間と、「楽しい」「安心」「この仲間とだったら一緒に何かできそう」という気持ちを共有することが一番の目的でしたが、みなさんの表情がみるみる和んでいくのが分かり、最後は笑顔で「また明日♪」とお別れすることができました。1日目、無事終了です。

<2日目>「上演活動のなかで 子どもたちの主体性をどう引き出すか」
 この日は、朝から夕方まで分科会の時間がたっぷりです。まずはあっしーのゲームタイム。参加者同士がちょっと顔なじみになってきたところで、名前を覚える遊びをしたり、「変身じゃんけん」で飛行機になったりいもむしになったり。
 その次は、のぐさんの即興劇タイム。今日のお題は「誕生日サプライズ」。大型ケーキから宇宙旅行まで、スケールの大きな作品ができました。昨日の話題がさりげなく取り入れられたり、細かな表現のこだわりが見られたり。「皆さん、やはりできますね・・・!」またまた担当3人の目がキラーン。

 そしていよいよ、『よかったね』の劇づくりに入ります。これまでの表現遊びや即興劇は、実はここに繋がっていたのです!昨日歌った歌をおさらいした後、まずはみんなで台本の読み合わせをして、イメージをふくらませます。「できそう」「動いてみたい」と思ってきたところで、二つのグループに分かれ、それぞれ同じ場面をつくってみます。発表すると、同じ場面なのに全然違う仕上がりで、演じるだけでなく観ることによる発見や学びもありました。終わったらグループを変えて次の場面へ・・・と、この日は何と三つもの場面をつくりました!なかなかハードな展開です。優しいふりをして結構強引?と言われるリリーですが、皆さんの表現や舞台の使い方がどんどん洗練されていくのが分かり、わくわくし通しでした。ひよこのまねっこ遊びや、うさぎのダンスの振り付けをつくることから始まり、場面の状況や人物の心情を伝えるために動きを整理する・・・とやっていくうちに課題が自然に浮かび上がっていきます。最後につくったやぎの場面では、台詞のあるないに関わらず、舞台上の全員が〈生きて〉いる!〈顔〉が見える!一人一人が主体的に動けるようになると、個が集団に埋没することなく、かつ調和もとれ、生き生きとした舞台が出来上がるのですね。
盛り沢山の一日で、終わる頃にはさすがに皆さんお疲れの様子でしたが、「皆さん、すばらしい・・・!」と担当3人の目は感動でキラキラーン。明日の発表会も「今すぐ見せてもいいぐらい!」と自信満々・気分上々で懇親会へと向かったのでした。

<3日目>「ひとりひとりが生き、成就感のもてる上演活動を探ろう」

 昨夜の懇親会からこの日にかけて、嬉しいことに5人ものメンバーが新入会員になってくれました!パチパチ。目覚めとほぐしのゲームの後、発表会に向けてキャスティング&構成。せっかくつくった三つの場面を全部見せたい!最後に歌も歌いたい!と欲張るリリーのリードのもと、のぐさんあっしーのナイスサポート、そしてすっかり仲良くなった分科会メンバーの名演技で、『よかったね』7分間劇場が出来上がりました!!発表会前は、「バラバラ台詞発声練習」「早送り位置確認」で心と身体の準備をして、いざ本番。メンバーひとりひとりの存在が、舞台の上で生き生きと光っていました。本番前、「終わってしまうのは寂しい」「最後の歌で涙が出そうになる」という声もあり、劇をつくることは仲間をつくることなのだと改めて思いました。指導の方法やアイデアだけでなく、みんなで劇をすることの意味を自然に感じることができたなら、この3日間は大成功だと思います。
最後に、参加者の皆さんのお言葉を一部ご紹介します。

・現場ではどうしても時間に追われ、「遊びから入る」という意識を忘れがちになります。そこで焦らずグッとこらえ、「遊び」から積み重ねる気持ちを強く持ち続けたいと思います。
・子どもをその気にさせるための方法から、小さな指導上の悩みまで、様々なことを扱っていただけて、とても良かったです。
・学芸会や演劇を自分自身が体験したことがないのに、子どもたちを指導することが今までつらかったです。でも今回体験して、とても充実感を味わうことができました。
・自然な流れで劇の完成までたどりつくことができました。ライトを浴びる機会にめぐまれて、心から楽しめました。この充実感を子どもたちに取り組みを通して伝えます。
・みんなでつくっていく過程で、誰かが発火点となり、そこから表現が広がっていくことを知りました。
・演じたり、人前に出たりすることが好きではなくて、苦手なのですが、みんなでつくりあげて役になりきると、ワクワクドキドキが心地よかったです。
・みんなでやることで、人は近づいていけるのかなぁと感じることができました。
・真の意味で、学校劇を通して子どもの可能性を広げるということを、改めて考えさせられました。
【文責:リリー】

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