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2015-12-07

【実践研究会】11月例会報告

【日 時】11月21日(土) 14:00~
【会 場】成城学園初等学校
【参加者】木村(た)・保坂・杉原・澤田・木村(大)・林(久)

1.インプロ実習「創造性を発揮するためのヒント」
木村大望

 木村大望さんが、サンフランシスコで受けたインプロワークのエッセンスを体験する、という、とても幸せな時間だった。参加者のインプロをファシリテイトした(ディレクターを務めた)木村さんの解説を中心に記す。

【シーン①】設定~夫婦で旅行の計画を立てている。杉原さんと澤田さんの2人の即興表現。「どこに行こうか?」「暖かいところがいいね」「沖縄にしよう」「ちょっと高いホテルに泊まってみようか」とスムーズな会話がリ広げられた。

【シーン②】設定~①の続き。現地のホテルに着き、部屋に入った場面。「いいね」「豪華ね」「テレビも大きい」「ベッドもソファもフカフカよ」⇒無対象でベッドやソファのイメージも共有できていて良い。例えば、ドクロマークのスイッチが部屋にあって、押すか押さないかを迷った挙句、押すなど、話を先に進められる冒険がチョイスできると良い。演じ手が冒険することが観客を喜ばせる。

【シーン③】設定~些細なことが原因で喧嘩になる。⇒喧嘩になる前の設定が良好であると良い。例えば、男女が相手にプレゼントを贈り合う。喜んでいたのが、贈られた相手が何か気に入らないことをしてしまう。そうすると諍いになる。または、マグロ漁の船上。大漁を喜び合う。陸に上がって楽しみにしていることを語り合う。例えば、お気に入りの店で1杯やること。喧嘩が起こるシチュエーション例として「2人ともその店のママが気に入っている」「Aが、無愛想な店のオヤジの悪口を言う。実はそのオヤジはBの父親だった」など。観ている者は演じて手の関係性が変化していくことを期待している。関係性に変化が生まれる様にディレクターはアドバイスする。

◎木村さんの師匠は、冬季セミナーでもお招きした高尾隆先生。そのまた師匠がイギリスの「インプロの第一人者」キース・ジョンストン氏である。木村さんはその流れを汲む優秀なインプロブァイザーであり、ディレクターだ。ジョンストンは「大人は萎縮した子どもである」と考えている。「失敗、変化、評価などへの恐れ」の為に創造力を失ってしまった者に、本来持っていた創造性を取り戻させることも目的として「インプロ」という演劇的活動を体系化した。この日は、そのほんの一部だが、楽しく体験することができた。


2 実践報告「調べたことをわかりやすく発表しよう ~学習発表会までの道のり~」
澤田麻美子

 澤田さんは、3年生の調べ学習と関連させた舞台発表について実践報告をしてくださいました。澤田さんの勤務先の小学校では、毎年2月に学習発表会が行われています。そこでは舞台発表と展示発表を隔年で実施しているそうです。
 平成26年度、3年生は「お茶」を年間のテーマに選定しました。お茶に関する小テーマとして産地・栽培、お茶の種類、歴史、茶道、おいしい入れ方、お茶を使った製品、お茶の栄養素、茶のつく言葉やことわざなどがありました。お茶の文化と歴史に関する包括的な調べ学習と言えるでしょう。

 4月から調べ学習の活動を始め、個人レポートにまとめる活動も行いました。また、外部からゲストティーチャーを招き、お茶についての理解を深める機会もありました。2学期の後半にさしかかると、小テーマのグループ毎に調べた内容をもとに、クイズ劇を発表し合う活動も行われました。こうして少しずつ学習発表会に向けて、計画的に展開していったそうです。このような総合的な学習の時間の活動だけでなく、「声をはっきり大きく出す」ことを意識させる取り組みを、日頃の学級経営の中でも実施していたそうです。ここには「一朝一夕では身につかないことをやってみたい」という指導者の思いが垣間見えます。いざ劇の指導に入ると、担当の先生の病欠などの思いがけない事態にも見舞われましたが、限られた時間の中で練習を積み重ねていきました。他の担当の先生方は未経験者ばかりということもあり、話し合いを密に取りながら指導にあたったそうです。とはいえ、劇の場面ごとの指導となったため、互いに口出ししきれないところもあったと言います。
 また学校の上層部によるセリフや表現に関する厳しいチェックや、本番で打ち合わせと異なる照明がされてしまうなど、劇に対する周囲の理解と支援は必ずしも十分であったとは言えないようでした。こうして澤田さんからレジュメをもとに報告があった後、全員で本番の舞台発表を鑑賞しました。澤田さんは「調べた内容を全部入れられなかったことが残念」とおっしゃっていましたが、大人が見ても「へえ、そうなんだ」と感心してしまう内容も多く、とても見応えがありました。お茶に関するバスツアーという設定も、多彩なテーマを緩やかにまとめあげる、よい枠組みとして機能していました。そしてなにより、舞台の上の子どもたちがはきはきとした大きな声で、とても楽しそうに表現をしている姿がとてもすばらしかったです。これだけのモチベーションを保つために工夫したことして、「がんばった子は出番が多くなる」という条件を設けたそうです。
鑑賞後の協議会では、演出の面で参考となるアドバイスが多数寄せられました。また、周りが協力的でない環境の中で、孤軍奮闘する苦労と努力、そして熱意の大切さを改めて共有しました。舞台発表の後、ゲストティーチャーとして関わった関係者の方から「感動しました」という感想があったそうです。今回の実践は、澤田さんの「単なるプレゼンテーションで終わりたくない」という強い思いから始まりました。こうした思いが実践として結実して、結果多くの人の心に残るものとして息づいてゆけばいいなと思います。
【記録 林・木村(大)】

《次回例会予告》12月12日(土)15:00~17:00

①「加藤陸雄さんの和太鼓実習!早く来た人ほど爽快感UP」
②「岡信行さんの実習『手作り楽器でアンサンブルを楽しもう』」
③「木村大望さんのインプロ実習! 創造性を発揮するためのヒント②」
 今年ラストの実践研。研修会も劇活動で頭も体もフルに使って締めくくりましょう!それぞれの悩みも参加者の皆さんや運営委員にいつでもご相談くださいね。悩むより一歩踏み出す実践研!自分たちが楽しんで研究しましょう!

【翠会】11月定例会報告

「ちょっと脚本を書いてみたいのだけど・・・」
「学芸会で自分の脚本を上演してみたい・・・」
「自分で書くのはまだまだだけど、他の人の脚本を上演してみたい・・・」

あまり構えず、しかし脚本について勉強してみたいメンバーが集まる会です。

【期 日】平成27年11月14日(土) 15:00~
【会 場】成城学園初等学校 応接室
【参加者】木村 長谷川 西脇 山本(留)金岡 門田 蒔田 久保 岡 中村
(10名ご参加の、盛会となりました♪)

「みんなで あそぼう」 
作:久保 由美子 低学年向け 学年劇(60名ほどの出演) 

・くまが出てくるところが、ポイントになるのではないか。みんなが、くまくんをこわがるのでなく、おおかみは、本当はこわいけど、こわがらないふりをして、みんな、おおかみをたよりにするなどの展開にしたらどうか。
・くまがあやまるところも、ポイントになる。
・おおかみが、人のふりをみて、自分をふりかえるのか、自分自身を見つめてふりかるのか、焦点を定めたい。
・言葉を正しく言う練習は、必要だろうか。
・「みんなで あそぼう」という題名にもどり、なぜ、みんなで遊びたいのか、なぜ、みんなで遊べないのか、という根本にもどって、再考されたらどうか。

「東亰トワイライト」
作:山本 留実 中学生演劇部(部員8名) 文化祭上演作品 
※留実さんが、部員たちとの対話を重ねながら、台本と劇がつくられていった過程のお話を伺えた。
「東亰トワイライト」の亰の字も、部員たちのアイディア。きのこをポイントに、出会う場所、未来の場所、もしも江戸時代だったらどんなことを感じるのか、同時間に人間以外にも生きている動植物、自然の世界から感じること・・・等、中学生の視点で哲学したことが、ひとつの作品に仕上がっていた。

・中学生の思いが、オムニバスに入っている。今後もさらに、テーマがしぼられた世界で作られるドラマにも、期待したい。
・役者のための台本になっているので、さらにト書き等を工夫した仕上がりにも期待したい。
「おばけの遠足 ~おばけ屋敷編~」 岡 信行 低学年向け 学級劇~学年劇
・おばけと、キャストの衣装や小道具に様々な工夫ができる。特に、おばけには、おばけらしい、見ている人を驚かす工夫ができたら面白くなる。
・最初からお化けが、人から見えないという演出をしてほしい。
・お化けが、ジュース売りからジュースを飲む場面を、ストップモーション等、工夫して表現してほしい。ジュースをうばう相手は、別にジュース売りでなくてもよい。
・お化けの変化は、効果音をうまく使ってほしい。
・ジュースを飲んだお化けと、ジュースを飲まれた子どもとの関係性、演出に期待したい。
・セリフが流れるように進んでいるが、低学年が読める言葉や字数、また、くりかえしのセリフ等、工夫が期待される。
・中幕や暗転の工夫、タイミング、ト書きを期待したい。
・フラフープ、竹馬、長い布等を使って、おばけたちの表現を演出したらおもしろくなる。
・お化けも、キャストも、子どもが演じていることに重きをおいて、セリフや演出を考えてほしい。
・人とお化けが同じ場所で、見えていない場面が見せどころ。

「注文の多い料理店」
提案:中村 原作から朗読劇にして、発表会をするためには
※5年生の国語の授業で読み取りの学習を終えて、まとめとして、授業参観日に、朗読劇の発表会をしたい。残された授業数はあと4コマ。さて、どうしよう!

・朗読劇を初めてやるのなら、リーダースシアターのお手本になる動画を見せたらどうか。
・子どもたちに構成台本をつくらせたら間に合わない。配役とト書きが完成された台本であれば、出来るであろう。
・5人×8グループで、子どもたちで相談して朗読劇をつくる→2グループでお互い見合いながら、つくりなおす→リハーサル→本番発表会、という流れで、完成したらどうか。

※翠会で、みなさまからご助言いただけたおかげで、おかげさまで無事、上演にいたりました。誠に、ありがとうございました!

【文責:中村】

【脚本研究会】10月定例会報告

【期 日】10月9日(金)19:00~21:00
【会 場】成城学園初等学校 小会議室
【出席者】 池田・金平純・木村隆・野口・保坂・森田勝・山本茂

『ナマケロナマケロ』
野口 祐之 作 20年ぐらい前の作品。明治図書向け

 地球侵略をもくろむヤメロン星人がふりかける粉をあびると、地球人はどんどん怠け病にかかってしまう。なにもやる気のなくなった地球人のなかで、ただテツオ達数人のもともと怠け癖のあるメンバーだけは、怠け病にかからない。最後に残ったテツオの頑張りでヤメロン星人を追放したという話。

<合評より>
 ご都合主義で話が運びすぎ。おふざけ的な展開は一つの作品の雰囲気としては面白い。もっと遊び的要素がほしい。
 話の展開で、怠け病になる事を地球人はどう考えているのか、粉をかけられることを拒むのか、受け入れたいのか、抵抗もないし、幸せそうになったという描写もない。どちらかをはっきり描く事が大切。地球的侵略の規模なのに、テツオ達だけの小さな勢力の抵抗では不自然。舞台を地球ではなく、その前段階の学校占拠という限定した場所にした方が、やりやすく面白くなりそうである。
【文責:山本茂男】


『CATS STREET1』
山本 茂男 作

 初稿は1992年に書いた作品。飼い猫、野良猫の対立、保健所所員による、野良猫の捕獲、野良猫でも仲間からはずれているノラ吉と飼い猫たちが助け出すストーリー。

【話し合いより】
・前半の飼い猫と野良猫のくだりは散々見てきたので、音楽処理でよいのではないか。
・飼い猫と野良猫の対立として考えたならどんな対立ができるかがポイント。
・主人公はノラ吉とすれば、成長なり変化がもっと出せるのではないか?

等、辛口の意見が多く出された。

『よみがえらせようヤマユリの花を』
池田 靖 作百合丘小学校の4年生が「ユリを調べた」学習を劇に活かした作品。

 いたずらっ子の颯太が入ってはいけないゆりっこ森に入り、ユリの花を折ってしまう。気づくと裁判が始まってしまう。判決は、深く反省していることもあり、花の精の手伝いをすることになる。花の精やヤマユリの精と一緒に働くことで颯太も変わってくる。元の世界に帰って友だちと ユリをいっぱい咲かせる決意をする。

【話し合いより】
・百合丘小学校ならではの作品なのだが、普遍的にするには、ヤマユリにこだわる必要はないのか、あるのか?
・向こうの世界とこちらの世界の差をもっと深くしたい。
・パネル隊の子を作品の中で有効に使おうとしている。その役割を明確にするとさらに良いのではないか。例えば、「ファンタジーの時のみ登場」など。

◆作品提出者がベテランぞろいだったので、かなり辛口の合評になりましたが、とても深い研究会になったと思います

【文責:保坂 弘之】