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2016-03-31

【巻頭言】否応なしに英語劇

 これは4月号であるから、本来ならば新年度の抱負などを述べるのが通例であろう。
しかし、今回はそれを差し置いて「英語」の話をしたい。

 結論から言うと、これからの子どもたちが生きていく社会では、英語は「使わざるを得ない」ものとなるのだ。

 今までは「自分が海外旅行にでも行かなければ、英語を使うことはめったにない」状態であった。しかし今や「自分が行かなくても、勝手に向こうがやって来る」時代なのである。昨年の訪日外国人観光客数は過去最高の1974万人に達しており、安部首相は会議で「観光は成長戦略の大きな柱の一つであり、地方創生の切り札だ。世界が訪れたくなる日本を目指し、観光先進国という新たな高みを実現していく」と述べた。
 そして企業に目を向ければ、ホンダが昨年6月30日に開示した「サスティナビリティーレポート」で「英語の公式言語化に取り組みます。将来は、英語力を役職者認定の要件にしていくことを計画しています」と発表し、2020年を目標にした英語の社内公用語化を宣言した。また、ユニクロのファーストリテイリングも2012年3月から社内英語公用化を実施しており、日本のオフィスであっても幹部レベルの会議や資料は全て英語に統一され、日本人に限らず中国人といった非英語圏の幹部や支店長クラスの人には英語研修を実施している。その他、楽天、シャープ、武田薬品、アサヒビールなどの企業も社内公用語として英語を採用している(採用する方向で推進している)のである。
 当然、この波は教育界にも押し寄せている。文科省は2020年の「小学校英語全面実施」を目指して今年(2016年)に「小学校新学習指導要領改定」を行い、2017年には「小学校英語教科書」の作成に入る。さらに今回の『英語改革』の特筆すべき点は、『大学入試での英語の改善』を挙げている事である。つまり「今までのようなペーパーテストだけの英語試験」から「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能を評価する試験に変えるのである。これまでに何度も「英語の改革」は試みられてきたが、成果は上がらなかった。なぜなら「だって、試験に出ないでしょ」の一言で片付けられてしまったからである
 しかし今回はそこにメスを入れた。文科省の本気が感じられる。小学校英語では、「知識・技能」としての英語だけではなく、「知っていることをどう使うか」(思考力・判断力・表現力)、「外国語で積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度」(意欲)も重点化された。習った英単語を駆使して意欲的に表現していくことが大切なのである。要するに、楽しんで堂々と英語でコミュニケーションがとれればいいのである。そのための有効な学習方法って・・「劇」でしょ。
 即興劇やショートドラマ等々、劇的な手法を使って英語を身に付けていくことが英語の授業の主流となっていくのではないだろうか。となれば、ミニ脚本や即興劇のネタなど様々な形での英語劇の脚本が必要になる。劇作の会でも英語劇の創作に力を入れねばならなくなる日がやってくるのは、そう遠いことではない気がする。
【文責:加藤陸雄】

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