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2016-08-23

【第64回演劇教育夏期大学】第4分科会「人形を使った劇活動」

<担当>岡信行、一幡利一、今井洋助

 靴下一足で、顔だけでなく体もある、四つ足の動物の全身が出来てしまう!そんな究極の靴下人形の作り方を紹介しました。使うものは、靴下と牛乳パック、ウレタンマットと新聞紙、段ボール。学校で子どもたちと一緒に作ることもできます!
ご参加いただいた皆様と出来上がった人形たち。
牛乳パックから作っています。
ウレタン製の手をホットボンドで付けます。
  早速、作りたい動物を決めて制作に取りかかりました。まず、新聞紙を丸めて頭の部分を作っていきます。頭に段ボールを合体するとは口の部分が出来上がります。次に、靴下の中に詰めていきます。牛乳パックには切り込みを入れ、自分の腕が通るくらいに丸めたら、これまた靴下の中に詰めていきます。あっという間に人形の輪郭が完成です。目玉や手足は、ホットボンドを使って接着していきます。参加した皆さんの中には、しっぽをつけたり体の模様をつけたりした方もいて、人形の個性がはっきりと表れていました。出来上がった人形に名前をつけ、自己紹介をした後、岡さん作の歳時記の脚本を使って、ペアで人形劇をやってみました。

 今回は、ウレタンマットを使った、ウレタン人形の実用性についても話し合いました。ウレタンマットは、100円ショップで簡単に手に入れることができ、はさみやカッターで自由に形を作ることができます。切り込みを入れて「口」を入れたり、「目」を書き入れたりすれば、ウレタン人形の完成です。



「地球のひみつ」 
岡さん作の脚本「地球のひみつ」をはじめ、国語教材で
「お手紙」
「ふきのとう」
お馴染みの「ふきのとう」や「お手紙」を、人形を使いながら音読する実習を行いました。人形を動かしながら音読することで、より登場人物の心情に迫ることができました。演じている様子をiPadで動画撮影し、自分たちの演技を見合って、次のようなポイントに気をつけながら練習しました。
 ①人形を操作するコツ(口の動かし方、人形の目線や体の向きを意識した動かし方)
 ②人形の個性を生かした声の出し方(例として、裏声を使って)
 ③ケコミ(人形劇の舞台)で、演じる時の位置関係

 最終日は、分科会発表会に向けて、自分たちが作った人形を登場させた脚本作りに取り組みました。当日は、リオでオリンピックが開幕したこともあり、オリンピックの様子をニュース形式で伝えるアイディアが出されました。他にも、水不足、小池都知事就任、映画シン・ゴジラ公開のニュースをつなげて人形劇を仕上げました。練習を重ねるごとに、人形の個性に磨きがかかっていき、和気あいあいと大変盛り上がりました。





★参加者の方の感想より
練習風景①
・身近なものを活用したパペットは、子どもたちにとっても身近に感じ、楽しく様々な活動で活用できると思いました。
練習風景②
・初めて人形劇にチャレンジしました。今までは自分が体を使って演技することをしていたので新鮮でした。人形劇の面白さを知ったので、今後の学習活動に活かしていけたらと思います。
・今回初めて第4分科会に参加した。腹話術など、人形をしゃべらせるのが難しかった。しかし、普段経験しないことができてよかった。
・初めて自分で人形を作って、とても愛着がわきました。身近な材料で、そして、身近な道具でこんなにも可愛らしい動物が出来るということを知れて、興味深かったです。ただ作るだけではなくて、人形を使ってどう子どもたちと向き合うか、まで教えていただき、充実していました。分科会発表では、子どもたちの気持ちになることができました。発表までの緊張、仕上げていく過程など、たくさん楽しむことができました。どう見せるか、どう見られているか、を振り返る良い機会でした。
・自分でも人形を時々作るのですが、東京で作るときの方が出来がいいのは何故でしょう…と思いつつ、お気入りの一匹ができて嬉しかったです。毎年どこかしら、進化しているので何度来ても楽しいです。
・素敵な人形を作ることもできたし、動かし方、台本の書き方まで、みんなで演じる楽しみを体験できました。発表では、子どもと同じドキドキ感を味わえて楽しかったです。
・簡単に作れる人形をたくさん紹介していただき、また、それを使ったいろいろなパターンの劇をやらせていただいたので、たくさんのイメージを頭の引き出しに入れて持って帰ることができます。ありがとうございました。今年も中身の濃い3日間でした。発表会は、他の分科会のことが分かるので、大変貴重な時間です。どの分科会も本番に向けてきちんと仕上げてくるのはさすが!という感じです。
【文責:今井洋助】

2016-08-22

【第64回演劇教育夏期大学】 第5分科会「朗読劇実習」

<担当>中村 俊英 久保 由美子 小宮 民子
<参加者> 一般4名 会員4名 担当3名 計11名

☆授業で活かせる朗読劇の実習をしました。
「キツネとカラス」

「吉六四さん」

「ごんぎつね」

「ごんぎつね」
☆ウォーミングアップのゲームから始まり、朗読劇の基本実習をし、教科書教材「ごんぎつね」を用いて朗読劇で表現し、「スーホの白い馬」では、最初から最後まで朗読劇をつくり、発表会につなげました。

参加者みなさまの声より…
・とても温かい方ばかりで、リラックスしながら取り組むことができました。
・スーホのナレーター中心という題材が難しかったですが、また朗読劇の奥深さがさらに味わえ、充実した2日間でした。
・2年ぶりの参加でしたが、みなさんの取り組みが意欲的で、とてもよかったです。
・少人数だったせいか、密度が濃く、みんなで意見を出し合って、ひとつの作品を作り上げていくという感じが、とても勉強になりました。
・朗読劇分科会、年々、レベルが高くなっていて、とてもいい研修になりました。
・「スーホの白い馬」というセリフの少ない物語を、どうやって朗読劇にするのか、一から分かり、とても良かったです。
・演技をするところと、あえて演技をしないで想像させるところと、見極めの難しさを知りました。
・分科会発表はとても有意義な上、7分ちょうどで出来て、よかったです。先生方がとても熱心で、心強かったです。
・「朗読と劇が合わさったのって、どんなのだろう?」というハテナをもって参加しましたが、自分たちで実際にやることで体感できて良かったです。自分にはない多くの視点をもっている先生たちから、沢山のことを教えてもらいました。クラスで即実践できるものを沢山頂き、感謝です。音読より自由度が高く、劇よりも自由度が制限されるのが朗読劇だと思いましたが、伝え方は無限大でした。いろんな表現方法を、自分のものにしたいです。分科会発表会も、授業と同じで、最終的に発表するという目的があると、緊張感がでてきて、とても良かったです。

※参加者のみなさま、ありがたきお言葉の数々、心より感謝申し上げます。
【文責:中村】

【第64回演劇教育夏期大学】第2分科会「脚本を使った劇の上演活動」(1〜3年)

<担当>百合岡依子、木越憲輝、伊藤公大

ねらいは「子どもの主体性を引き出し、活かす上演活動」。脚本は『みんなで歌えば』(リリー作)を使用。

【1日目】
「劇づくりは、人間関係づくりから」
もじもじくんによる絵本あそび
まずはもじもじくんによる自己紹介を兼ねた
出会いのゲーム。成城までの所要時間順に並ぶ等意外な発見の連続で面白かったです。続くハムによる劇につながる表現あそびでは、色々な怪獣が誕生し、うなぎのつかみ取りを楽しみました。午前のラストは絵本『そのつもり』を使った劇あそび。「いいね〜」という声がたくさん聞こえてきました。
森田勝也さんによる講演
「子どもたちが主体的に関わる上演指導」



 午後は、森田勝也さんに「子どもたちが主体的に関わる上演指導」について語っていただき、あそびは主体的な活動であり劇的活動を通して様々な力が育つことが分かりました。その後、劇中歌やボディーパーカッション練習へ。リリーさんの魔法にかかり、あっという間に伸びやかな歌声と軽快なリズムが広がりました。





リリーさんによる劇中歌の練習
たぬきたちのボディパーカッション
【2日目】
「上演活動のなかで、子どもたちの主体性をどう引き出すか」

 ウォーミングアップのゲームをしたら、絵本を使った劇あそび第2弾! 色々な動物になって『もりのなか』の世界をグループごとに表現しました。沢山のあそびをすることによって心と身体が解放され、次第に上演に向けた活動へとステップアップ。



 劇中歌にも慣れてきたので、歌、ボディーパーカッション(3種)、ラップ(2種)に分かれ、グループごとに場面をつくったり、全体でアンサンブルをしたりしました。初めてのことでも安心して挑戦できる感じがしました。練習の進め方やキャスティングの仕方、
効果的な集団の動きについても学びました。






【3日目】
「一人ひとりが生き、成就感のもてる上演活動を探ろう」
グループに分かれてお話の世界を楽しもう

 分科会発表会に向けて、観客を意識した表現の工夫等、最後のブラッシュアップ! 自分とは違うキャラクターを演じる楽しさを感じながら取り組めました。グループに分かれて劇あそびや場面づくりをしてきましたが、やはり全体でとなると交通整理がポイントです。うさぎ、たぬき、ねずみの「対立」をためには動きや姿勢、反応等をどうすると効果的なのか、考えることができました。


 
全体で場面を作ろう
分科会発表会では3グループの対立からアンサンブルで1つになるまでの場面を行いました。子どもたちも味わうであろう舞台での緊張感を体験しました。そして、劇中のうさぎ、たぬき、ねずみたちと同様、一人ひとりが掛け替えのない大切な仲間なのだと感じることができました。
最後に、参加者の皆さんのお声の一部をご紹介します。




•9月に子どもたちと是非やってみたい活動が沢山あり、3日間とても楽しく過ごすことができました。表現すること、特に人前でやるということに対して苦手意識が強いので、初日はとても緊張しました。3日間を終えてみて、緊張感よりも満足感や充実感を沢山感じることのできた自分に驚いています。
•心や体をほぐすゲームを沢山教えていただきました。また、劇指導の際の流れや注意点等を実際の活動のなかで合わせて教えていただき、勉強になりました。講師の方々や参加者の方々、みなさん素敵な方ばかりでいろんな「素敵だな〜」を感じられたのも良かったです。
•自分自身が劇を演じることで、新たな自分(知らなかった面)に気づくことができたり、劇の指導をしていた時の子どもの(演じる側の)気持ちを考えるきっかけになったりし、たいへん有意義な研修でした。
•脚本を使った劇の上演活動について、子どもたちのアイディアをどうやって引き出し、それを劇のなかで活かしていくか、ということについて学ぶことができました。低学年であっても子どものアイディアを上手く活用することができることや、どんなポイントでフォローしたり指導したりすればいいのかが分かり、今後実践できるようにしていきたいと思います。キャスティングするタイミングやポイントも分かってよかったです。
•とっても充実した内容でした。たまたま一緒の分科会になった見知らぬ人たちが、ぐんぐんなかを深めていくのに感動しました。これが3日間で終わらず、ずっと続くといいのに、と思ってしまいました。

 全体を通して、若手からベテランまで参加者お一人おひとりが主体的に取り組まれ、充実した内容になったことを嬉しく思います。ありがとうございました。
【文責:伊藤ハム】

2016-08-18

【第64回演劇教育夏期大学】第1分科会「学級づくりのための劇あそび・劇活動」

<担当>古屋有子、林久博、坂田道則

 「劇あそびや劇活動を通じて、子どもたち同士のコミュニケーションを深め、個々の子どもたちが互いに認め合い協力して、高め合っていくことができる学級をつくる。」「劇あそびや劇活動を通じて、子どもたちの学習意欲を高め、子どもたちが主体的に学ぶことができる教室をつくる。」ことをねらいとして、様々な劇あそびや劇活動を学びました。劇あそびや即興劇づくりによって、人と人との関わりが深まること、学習内容への理解が深まることを子どもになったつもりで体験した3日間の様子を報告します。

〜 1日目 出会い 〜
 新たな出会いをした初日は、まず自己紹介ゲームからスタートしました。ゲームを通して、お互いの好きなもの、趣味を知り合いながら少しずつ心をほぐしていきました。「ネームトス」では、集中して相手のアクションを受け取り、別の相手に渡すというルールの中で、全員が繋げることを意識して参加できました。続いて行った「相性ぴったんこ」「ジャンピングハッ」では、他者と心を通わすことの楽しさも経験しました。「○本足を作ろう」では、リーダーから提示された数字と同じ数の足を作るため、グループごとに相談をして、課題に取り組む様子が印象的でした。1時間前に出会ったばかりとは思えないほど積極的に意見を交わす様子に、劇あそびの可能性をおおいに感じることのできる時間になりました。心が十分にほぐれたところで「モデル・アーティスト・粘土」「火事だ!え?」「ジェスチャーゲーム」の活動を行い、体をほぐしました。粘土になったつもりで体を動かしたり、生き物になったつもりで相手に動きを伝えたりする活動を通して、自らの身体表現の幅を知ると共に、他者の身体表現に触れ、参考にすることができていました。その後も「大声レーダー」「ここはどこでしょう。」など、体を動かしコミュニケーションを取りながら伝え合う多くの活動を行い、1日目を温かな雰囲気で終えることができました。

〜 2日目 深まり 〜
 2日目は「ティッシュ」という活動から始まりました。1枚のティッシュを空中に飛ばし、それを手や足、背中などリーダーに指定された場所でキャッチするというゲームです。始まったばかりにも関わらず参加者は元気いっぱい。軽く汗をかきながら活動しました。1対全の活動から2人ひと組の活動に移ると、相手がキャッチできるように「右右!!」「もう少し後ろ!」などフォローする声掛けが自然と生まれ、一体感を感じる活動になりました。その後、授業で活用できる「わたしは誰でしょう」や蓑田先生の台本を使用した劇づくりの実習を行いました。「わたしは誰でしょう」では、いつも問題を出している立場の参加者が、問題を出される子どもたちの立場になることで、分からない時の子どもたちの焦りや答えが分かった時の喜びを童心に返って楽しむことができました。劇作り実習ではさすが先生たちというだけあって、それぞれ個性の光る劇を発表してくれました。同じ台本を使用しても表現の仕方が全く異なり、表現の違いを実感する時間になりました。体と心を十分に動かした後、午前最後のプログラムとして、森田先生による理論講座が行われました。子どもたちが遊ぶことにより感性・想像力・表現力・創造力・コミュニケーション力など様々な力が養われること、しかしその遊びの場がどんどん奪われてしまっている現状をお話していただいた上で、私たち教師が意図的に遊びを創っていくことの重要性や、子ども主体の集団作りの必要性を講演していただきました。劇あそびや劇活動で得られる力は数値化できないものだからこそ、私たち教師が努力し、守り、繋げていかなければいけないということを改めて強く感じる時間になりました。

「わたしはだれでしょう」の様子
「即興劇実習」の様子
午後は、『だるまさんが』『うみやまがっせん』『ねえどれがいい』などの絵本を使った実習、算数でも利用できるゲーム、社会で学んだ戦国武将になりきって劇を作る「三英傑 誰が一番えらい?」などの実習を行いました。多くのゲームを学び、楽しんだ1日目とは少し異なり、この日の振り返りでは、「2日目に行った劇あそびや劇活動はこういう場合にも使用できそうだ。」「こうしたら○年生でもできそう。」など、実際に教室に持ち帰ってからのことを考えながら、意見を交わすことも出来ました。




「絵本実習」の様子
〜 3日目 つなぐ 〜

 2日間の活動でお互いの心もすっかり打ち解けた仲間達。3日目で疲れもあったにも関わらずウォーミングアップや即興劇では、笑顔を溢れる活動になりました。3日目のメインは分科会発表会に向けての「繋ぐ」活動でした。今までの学びをどのような手法で繋げ、時間内でどう発表するか話し合い、練習に向かいました。今回は「蘇った三英傑」と題し、3日間行った多くの活動を特番VTRのように繋いでいくという方法を取りました。今まで行った即興劇をブラッシュアップした後、通しの練習を行い、改善点を話し合いました。劇をつくる過程の人間関係の深まりを重視していた活動から、今度は見せるための活動へ発展していきました。参加者全員で「こうしたらもっとよくなる」という意見を発表し合い、一つのゴールに向かって練習を重ねました。今までの活動を繋げていただけのはずがいつの間にか一つの物語のようになっていたことに驚き、新しい可能性も感じました。
 発表は大成功、みんな大満足で発表会を終えることが出来ました。
子どもになりきり、いろいろな活動に参加し、発表会まで成功させてしまった第1分科会の皆さん、本当にお疲れ様でした。最後に、全員で3日間の感想交流をしました。その感想の一部を紹介します。

・内容が濃くて、どれも面白い活動でした。見せることも意識しながら最後に仕上げていく自分たちの分科会のパワーも見事だと思いました。
・日頃、「児童の反応」を考えて、指導を計画したり組み立てたりしていましたが、そもそも児童の持つ遊びたい、楽しいことしたいという気持ちをくんでやらなければいけなかったと今回の活動を通じて分かりました。
・学級づくりや授業にすぐ使えるあそびや活動をたくさん学ぶことができた。
・1つ1つのあそびに理由があり、それをどう授業に生かすかということを楽しく学ぶことができ、とても身になる会になりました。
・本能的に、この会に申し込んで来られて、本当に良かったです。頭も心も1日でだいぶ開いた気がしました。

 子どもたちも考え、悩みながら自己表現をしているということが体験できた3日間だったと思います。活動で感じたことを大切にしながら、またそれぞれの場所で生かしていただけたら幸いです。
【文責:古屋有子】

【第64回演劇教育夏期大学】第3分科会「脚本を使った劇の上演活動(4〜6年)

<担当:野口裕之、芦澤明美、保坂弘之>

  第3分科会「脚本を使った劇の上演活動(4~6年)」では、「子どもの主体性を引き出し、活かす上演活動」をねらいに、劇につながる表現活動から、上演までの指導のポイントや、コミュニケーションの在り方について体験を通して考える3日間となりました。

『私は糖分を訴えます』(作:保坂弘之/『きずなを育てる 小学校・全員参加の学級劇・学年劇傑作脚本集(中学年)』黎明書房所収)を使いながら、参加者の皆さんと楽しく取り組むことができました。
参加者のみなさまと

1日目 ~劇づくりは、人間関係づくりから~
 最初は出会いのゲーム 身体ほぐしから、お互いを知り合うゲームをしました。自己紹介を兼ねて、「好きな色」「好きな食べ物」など深く考えることなく、言葉を発する所からスタート。次は、少し歩きながら参加者同士で じゃんけんしたり、握手をしたりと、少しずつ近くなっていきます。だんだんリラックスした雰囲気ができてきました。
 次に「即興による表現活動」として「対立ごっこ」をしました。ディベートにも近い形ですが、「テーマを設定し、2チームに分かれて話し合いをする」活動でした。具体的には「家に動物を飼うことにしたい。ついては犬がよいか、猫がよいか、家族会議をする」という場面を設定し、「グループ(12人程度)を『犬派』と『猫派』に分かれて、話し合いをする」というような形です。ここでは、決められたストーリーや結論はありません。それぞれが、自分の立場や役割を考え発言する経験をしました。それが、実は劇の練習に役立つのですが…。その後、学校で劇活動をする意義や、脚本選びについての話をしました。
 午後は、脚本の読み合わせをスタートしました。子どもたちと取り組む時と同様に、ますは、「役を決めないで順に読んでいく」をし、次に「やりたい登場人物の役を決めて読んでいく」をしました。劇中歌もあるので、その練習もしました。最後に振り返りをし、参加者の方から感想や今後の希望などを伺いました。

2日目 ~子どもたちの主体性を、どう引き出すか~
 2日目から参加の方もいらっしゃるので、1日目同様、軽く動きを伴うウォーミングアップをした後、歌の練習。身体ほぐしと歌で声出しをしました。
 次に脚本の中から「最初の裁判の場面」を創る活動をしました。2つのグループに分かれ、それぞれが場面を創り、見せ合いました。ここでのポイントは、セリフが無い時の動きです。原告側と被告側が言い争う場面で、裁判長が「静粛に」と言います。ということは、「静粛にしなければならない」様子を表現する必要があります。それは、舞台に登場している人物が、それぞれどういう立場(役柄)であるか考え、動く必要があります。前の日にやった「即興による表現活動」がここに生きてきました。2グループそれぞれが創ったものを発表しあいました。糖分のキャラクター設定が大きく違うことに驚きましたが、セリフがない時の動きを実感することができたと思います。
 続いて「子どもたちがお菓子を食べる場面」を同様に2グループに分かれて創りました。ここでは、セリフのない時の動きと共に、母と子どもたちのやりとり時の位置関係や小道具の処理の仕方も考えることができました。
舞台に立って演じると、また動きもかわります
午後の最初の1時間は、講堂での舞台練習です。午前中にやった2つの場面をそれぞれのグループ毎に演じてみました。演じないグループは客席にばらばらに座ってもらいました。講堂の舞台の使い方や声の出し方、観客を意識した動きも、実際の舞台を通して経験することができました。
 音楽室に戻ってからは、舞踊の場面創りをしました。脚本には、4つの舞踊処理の部分がありますが、その中から「糖分」の場面と「中性脂肪」の部分を希望により分かれて考えました。高学年になると自分たちである程度考えることができるようになります。エネルギーを作る!「糖分」と体にくっつく「中性脂肪」を音楽に合わせてどう創るか、それぞれのグループで考えていきました。一人が全部を創るのではなく、4小節ずつ考えを出しながら創っていく、など考えていきました。最後は、お互い見合って感想を言い合いました。お互いの考えを出し合いながら、創っていくことで人間関係も深まっていきました。

3日目 ~一人ひとりが、達成感を味わえるために~
 3日目から参加の方、2日目でお別れの方が
本番に向けて、熱が入ってきました。
いらっしゃいました。3日目は、午後に分科会発表もあります。最初のウォーミングアップで身体をほぐし、歌の練習で声を出した後は、分科会発表へ向けての練習を開始しました。7分間での発表用に抜粋版の脚本を用意しました。ただ、3日目は担当者も含めて14人。私(保坂)はピアノ伴奏もあるので舞台に出られるのは13人。半分以上の人は一人2役になります。セリフの言い方、セリフのない時の動き、踊りの場面、それぞれ丁寧に練習しました。ただ7分間という制約もあるので、出入りや小道具の出し入れも含め、スピーディーにやることや協力して処理するなど舞台裏での動きも経験することができました。11時20分から20分間の講堂舞台練習でもみんなで考えながら練習をすることができました。 昼食時には『私は糖分を訴えます』の上演DVDを鑑賞して、脚本の全体像も把握しました。実際の本番前の過ごし方や子どもへの声掛けなどの話し合いもしました。

 分科会発表会もみんなで協力をして楽しむことができました。他の分科会参加者の方からも「楽しかった」という感想をいただきました。
 全体を通して、参加者の皆さんのモチベーションが高く、多くの質問や意見が出され、充実した活動になりました。皆さん、本当にありがとうございました。

最後に、参加者の皆さんのお言葉を一部ご紹介します。

○初めは不慣れでしたが、少しずつ楽しくなってきました。子どもたちと一緒に劇を作り上げていくという意味が少しわかった気がします。
○アイスブレーキングの方法や脚本を使用しての劇指導など、内容も充実したものとなっていました。自分が演じてみる事で分かる事も多く、2学期からの劇指導に役立てる事が出来そうです。
○実際に自分たちで体験的に演じることによって、立ち位置や視線の持っていき方など、指導のポイントを学ぶことができました。
【文責:保坂】

【第64回演劇教育夏期大学】第7分科会「脚本の作り方」

<担当者>長谷川安佐子、小川信夫、岩崎明、山崎和男、三友大五郎、森田勝也、木村 たかし

 今年度は一般会員7名、会員2名の参加でした。担当者が7名なので、ほぼ1対1での3日間でした。少し遅れて参加した人、途中で用事があり帰った人などがいましたが、いつものように担当者と話をしているか、黙々とパソコンに向かっているかの3日間でした。
小会議室で「自己紹介と何を書きたいか」の話し合いから始まりました。その後、担当者からの「自己紹介と励まし」がありました。その後、三友先生の「初めて脚本を書く人のためへ」の話が終わると10分間の休憩に入ります。その間に、担当者と受講者の組み合わせを考えました。

 ここが、この分科会の成功の鍵を握っています。書きたいものがある方は1名だけでした。後の方は、先ほどの自己紹介にあった、「何年生、何人ぐらいの劇の発表」なのか、「上演の狙い」は何なのかに合わせて、担当者を割り当てました。会員2名の方は、一般の方が決まってから担当者を決めました。
 さあ、担当者と受講者の話し合いの開始です。小会議室だけでは狭いので、受講者に希望の場所を決めてもらい劇研究室、図書室に分かれました。昼食の時間になっても話が続く方々もあれば、とりあえず、いったん休憩してという方々、様々です。1日目の講演の前までそれが続き、明日の予定を確認して、講演に向かいました。

 2日目は、9時30分から自由に前日決めた場所で話し合い、パソコンに向き合う時間となります。昼近くなると、ポツポツとプリントアウトの要請が来ました。「凄いね。出来たの?」「違います。まだ、プロット(あらすじ)です」とニッコリ。この繰り返しが4時まで続きました。
 4時に一度集合して進み具合を報告しました。そして3日目の予定を確認して解散しました。

 3日目もほぼ同じことの繰り返し。分科会発表会の時だけ、ほっと一息を入れます。でも、終わって小会議室に戻りこれからの予定を確認する時にため息が出ました。この分科会の終了は、12月に予定された皆さんの脚本が掲載された「脚本集」発行日なのです。ですから原稿締め切りの日時を聞いて、また、ため息を一つついて解散となりました。
実は担当者もこれからが大変なのです。これから送られてくる脚本に対してアドバイスをしなければなりません。1度と言わず2度、3度と。
【文責 木村 たかし】

2016-08-03

【実践研究会】7月定例会報告

【日 時】7月9日(土)15:00~17:30
【場 所】成城学園初等学校 講堂&社会科室
【参加者】一幡、今井、帰山、金岡、木越、木村大望、坂田、西脇、野口、林、古屋、森公、山本留 (計13名)

1.和太鼓実習
「みんなで叩いて気分爽快!アンセムにのせて」

 今回は、夏期大オープニングの和太鼓演奏に向けてFIFAサッカーの曲「アンセム」の練習を行いました。前半は、「ドーン・ドドン」「ドンドコドンドン」と難しいリズムはなく、割合スムーズに叩いていけました。しかし、後半の山場、全員がタイミングをそろえる「ドン234ダカダカダンダン」が合わない。何度も何度も練習しました。個人で叩いたり、言葉を口に出してタイミング合わしたり。「ドン234の4ですぐに入るといいんじゃない」「4を数えてから叩くか、試してみよう」とそれぞれの考えを実践しながら、合う方法を探していく。なんとも、頭と体を使う濃密な時間が過ぎていきました。一生懸命になればなるほど、みんな無言になっていくという・・・。このみんなで創り上げていく時間があるから、本番成功した時の達成感が倍増されるんだなあ、と感じていました。夏期大本番!乞うご期待!


2.年間実践報告シリーズ
「アクティブラーニングとしての朗読劇」
(担当:今井洋助さん)

 今年度の実践研の目玉企画です。どうすればアクティブ・ラーニングを取り入れた授業で子どもたちの学びが充実するのか、を課題に今回は、2年生国語「お手紙」で二人組の音読について実習しました。参加者が2人組になり、「クライマックスのかえるくんががまくんにこっそりお手紙を出したことを打ち明け、二人でかたつむりくんを待つ場面」を音読します。ポイントは「気持ちが伝わること」「イメージしやすいこと」です。5組いると、がまくんとかえるくんの関係性の解釈がそれぞれのペアによって違っておもしろい。ふりかえりで「かえるくんは、はやくがまくんを喜ばせたくて打ち明けちゃった、早まっちゃったのでは」「ああ、という言葉の言い方や表情もペアによって違う」など多くの意見が出て、興味深かったです。主題に迫るために、2年生なりの根拠を「こう思ったから、こう音読しました」と述べられたら、アクティブ・ラーニングは充実していくのではないか、と実感する時間となりました。ふりかえりをすることによって思考を共有でき、子どもの気持ちを体感できたように思いました。今後も継続して実践していきたい内容です。

3.西脇正治さんの実践報告
『「青いほし」3年生学年劇~光のダンス~ 児童創作を活かした劇づくり』

西脇さんお勤めの東京女学館小学校の3年生女子76名による創作劇の報告でした。目立ちたがり屋から大人しいお子さんまで様々な子がいるクラスで、人間関係を豊かにするために行われた劇活動20時間の紹介です。校外学習で千葉県館山の海岸に宿泊した体験をベースに、亀の岩戸にお隠れになった亀のお姫様に出てきてもらうために海の生き物たちがダンスを披露する楽しい内容。中には、今までの劇活動を活かした「海の生き物のだるまさんがころんだ」「海の生き物のはないちもんめ」などもあり、子どもたちの自然の姿が表現される工夫もありました。一番の見どころは、カニ・クラゲ・エビなどの子どもたちによる創作ダンスの豊かさ。いきいきとした姿に質問や意見が出ました。
・児童創作のダンスや遊びの部分の作り方を教えてください。
・クライマックス、暗闇の中の海ほたるのライトがきれいだった。→防災用のブルーライト(個人持ち)を活用。
・2クラスの練習の進度や調整はどのようにされたか。などなど、学年で劇を創っていく難しさと充実感が伝わる報告でした。

4.野口祐之さんの実践報告
『4年生 劇の時間の実践(1学期間を振り返って)』

 清明小学校4年生1学期に行った劇の時間10時間の報告です。何より子どもの感想を含めた野口さん手書きの資料がすばらしい。張り切って活動する子どもたちの姿が目に浮かぶ内容に活発な意見交換がなされました。・「ティーチャーインロール」で既成の脚本をアプライドにする、実験的で面白い例である。

・劇の時間10時間の活動計画がいい。子どもの実態に合わせて毎時間内容を変化、調整していく良さがある。・感想の中の言葉がいい、発話記録を考察していくとすばらしい論文になる。・「それ、面白い」を拾うのがうまい、野口さんらしさが出ている。
・劇活動を継続的に行うことによって学級経営の土壌ができてくるいいモデル。クラスの良さが培われている→手立て①具体的な褒め言葉 ②意見を出しても馬鹿にされないあたたかい雰囲気 がポイント
と止まらない話し合いになりました。意見がたくさん出るのはいい報告の証拠。貴重な報告に感謝です。

《次回予告》次回の実践研究会は、9月10日(土)15:00~17:00です。

「和太鼓実習 みんなで叩いて気分爽快!アンセムにのせて」
「林久博さんの実習 1年生国語科 入門期の指導~ドラマ・アクティビティを用いて」
「池田靖さんの実践報告 子ども達と創る子ども達中心の式典の取り組み」


の3本です。夏期大の熱をそのままクラスに、子どもたちに持ち込むためにぜひ9月の実践研にいらしてください。個々の悩みも相談に乗ってもらえますよ。悩むより一歩踏み出す実践研!自分たちが楽しんで研究しましょう。                   【文責:森(公)】