2016-08-18

【第64回演劇教育夏期大学】第3分科会「脚本を使った劇の上演活動(4〜6年)

<担当:野口裕之、芦澤明美、保坂弘之>

  第3分科会「脚本を使った劇の上演活動(4~6年)」では、「子どもの主体性を引き出し、活かす上演活動」をねらいに、劇につながる表現活動から、上演までの指導のポイントや、コミュニケーションの在り方について体験を通して考える3日間となりました。

『私は糖分を訴えます』(作:保坂弘之/『きずなを育てる 小学校・全員参加の学級劇・学年劇傑作脚本集(中学年)』黎明書房所収)を使いながら、参加者の皆さんと楽しく取り組むことができました。
参加者のみなさまと

1日目 ~劇づくりは、人間関係づくりから~
 最初は出会いのゲーム 身体ほぐしから、お互いを知り合うゲームをしました。自己紹介を兼ねて、「好きな色」「好きな食べ物」など深く考えることなく、言葉を発する所からスタート。次は、少し歩きながら参加者同士で じゃんけんしたり、握手をしたりと、少しずつ近くなっていきます。だんだんリラックスした雰囲気ができてきました。
 次に「即興による表現活動」として「対立ごっこ」をしました。ディベートにも近い形ですが、「テーマを設定し、2チームに分かれて話し合いをする」活動でした。具体的には「家に動物を飼うことにしたい。ついては犬がよいか、猫がよいか、家族会議をする」という場面を設定し、「グループ(12人程度)を『犬派』と『猫派』に分かれて、話し合いをする」というような形です。ここでは、決められたストーリーや結論はありません。それぞれが、自分の立場や役割を考え発言する経験をしました。それが、実は劇の練習に役立つのですが…。その後、学校で劇活動をする意義や、脚本選びについての話をしました。
 午後は、脚本の読み合わせをスタートしました。子どもたちと取り組む時と同様に、ますは、「役を決めないで順に読んでいく」をし、次に「やりたい登場人物の役を決めて読んでいく」をしました。劇中歌もあるので、その練習もしました。最後に振り返りをし、参加者の方から感想や今後の希望などを伺いました。

2日目 ~子どもたちの主体性を、どう引き出すか~
 2日目から参加の方もいらっしゃるので、1日目同様、軽く動きを伴うウォーミングアップをした後、歌の練習。身体ほぐしと歌で声出しをしました。
 次に脚本の中から「最初の裁判の場面」を創る活動をしました。2つのグループに分かれ、それぞれが場面を創り、見せ合いました。ここでのポイントは、セリフが無い時の動きです。原告側と被告側が言い争う場面で、裁判長が「静粛に」と言います。ということは、「静粛にしなければならない」様子を表現する必要があります。それは、舞台に登場している人物が、それぞれどういう立場(役柄)であるか考え、動く必要があります。前の日にやった「即興による表現活動」がここに生きてきました。2グループそれぞれが創ったものを発表しあいました。糖分のキャラクター設定が大きく違うことに驚きましたが、セリフがない時の動きを実感することができたと思います。
 続いて「子どもたちがお菓子を食べる場面」を同様に2グループに分かれて創りました。ここでは、セリフのない時の動きと共に、母と子どもたちのやりとり時の位置関係や小道具の処理の仕方も考えることができました。
舞台に立って演じると、また動きもかわります
午後の最初の1時間は、講堂での舞台練習です。午前中にやった2つの場面をそれぞれのグループ毎に演じてみました。演じないグループは客席にばらばらに座ってもらいました。講堂の舞台の使い方や声の出し方、観客を意識した動きも、実際の舞台を通して経験することができました。
 音楽室に戻ってからは、舞踊の場面創りをしました。脚本には、4つの舞踊処理の部分がありますが、その中から「糖分」の場面と「中性脂肪」の部分を希望により分かれて考えました。高学年になると自分たちである程度考えることができるようになります。エネルギーを作る!「糖分」と体にくっつく「中性脂肪」を音楽に合わせてどう創るか、それぞれのグループで考えていきました。一人が全部を創るのではなく、4小節ずつ考えを出しながら創っていく、など考えていきました。最後は、お互い見合って感想を言い合いました。お互いの考えを出し合いながら、創っていくことで人間関係も深まっていきました。

3日目 ~一人ひとりが、達成感を味わえるために~
 3日目から参加の方、2日目でお別れの方が
本番に向けて、熱が入ってきました。
いらっしゃいました。3日目は、午後に分科会発表もあります。最初のウォーミングアップで身体をほぐし、歌の練習で声を出した後は、分科会発表へ向けての練習を開始しました。7分間での発表用に抜粋版の脚本を用意しました。ただ、3日目は担当者も含めて14人。私(保坂)はピアノ伴奏もあるので舞台に出られるのは13人。半分以上の人は一人2役になります。セリフの言い方、セリフのない時の動き、踊りの場面、それぞれ丁寧に練習しました。ただ7分間という制約もあるので、出入りや小道具の出し入れも含め、スピーディーにやることや協力して処理するなど舞台裏での動きも経験することができました。11時20分から20分間の講堂舞台練習でもみんなで考えながら練習をすることができました。 昼食時には『私は糖分を訴えます』の上演DVDを鑑賞して、脚本の全体像も把握しました。実際の本番前の過ごし方や子どもへの声掛けなどの話し合いもしました。

 分科会発表会もみんなで協力をして楽しむことができました。他の分科会参加者の方からも「楽しかった」という感想をいただきました。
 全体を通して、参加者の皆さんのモチベーションが高く、多くの質問や意見が出され、充実した活動になりました。皆さん、本当にありがとうございました。

最後に、参加者の皆さんのお言葉を一部ご紹介します。

○初めは不慣れでしたが、少しずつ楽しくなってきました。子どもたちと一緒に劇を作り上げていくという意味が少しわかった気がします。
○アイスブレーキングの方法や脚本を使用しての劇指導など、内容も充実したものとなっていました。自分が演じてみる事で分かる事も多く、2学期からの劇指導に役立てる事が出来そうです。
○実際に自分たちで体験的に演じることによって、立ち位置や視線の持っていき方など、指導のポイントを学ぶことができました。
【文責:保坂】

0 件のコメント:

コメントを投稿