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2017-02-20

【実践研究会】2月定例会報告

【日 時】:平成29年2月18日(土)
【場 所】:成城学園初等学校 講堂、社会科室
【参加者】:一幡、今井、加藤、金岡、金平、木村大、平、野口、林、藤本、保坂、吉田、伊藤 (13名)

1.和太鼓実習
/加藤 陸雄さん

お隣さんの太鼓を叩いちゃう
今回は昨年に引き続き『秩父屋台囃子』の続きを・・・という計画でしたが、お休みしていた私などメンバーの顔ぶれで太鼓の基礎に予定変更!(この臨機応変・柔軟性が表現学習では大切だなと感じました。)「ダダダダ」と4回たたく中で、強くたたくアクセントを1つめで4度繰り返す、その次は2つめ、・・・といったように変えていきます。また、アクセントは「強く」の他にも「縁をたたく」「空振り」「隣の太鼓をたたく」といったことができます。途中、たたくリズムや速さも変えながらレベルアップしていきました。難しく考えるよりもリラックスして集中力を高め、無心に近い感覚でたたけると上手くいくようです。不思議と心も身体も軽くなる、あっという間の30分でした。

2.実践報告
「クリスマス礼拝の降誕劇」/伊藤 公大

 場所を社会科室に移し、伊藤よりキリスト教学校でのクリスマス礼拝での劇の実践報告をしました。本校では1年生が行うクリスマスの降誕劇が唯一の劇の発表の場です。「礼拝の中での劇」という特殊な状況の中、子どもたちの可能性を引き出しより良いものにしていくためにはどのような指導ができるのかを考えました。出席者からは「1年生とは思えない歌の力がある」など嬉しいお褒めの言葉も頂きました。「毎年、ほぼ台本が変わらず役が固定されているのなら、上級生がアドバイスする時間がもてると縦のつながりもできてよいのでは」、「普段の礼拝や宗教の時間にしっかりと聖書を読み込んで子どもたちの中に入れていくことが大切なのでは」、といったご意見を頂きました。次に1年生を担任する機会があれば、これらのアドバイスを踏まえ、普段から劇遊び等を通して表現することを楽しめるクラスにしていきたいと思いました。

3.実践報告「4年生学芸会 〜池のなかまたち〜」
/金岡 香恵さん

 続いて、金岡さんより学芸会での実践を報告していただきました。解説を交えながら本番の様子をDVDで見て「子どもたちが生き生きしていた」、「あれこれ指示をして見栄え良く体裁を整えるのではなく、大事な場面の立ち位置等といったポイントを押さえてそこから子どもたちに考えさせることにより、一人ひとりの成長につながる実践だと感じた」、「子どもたちが自主練習をするようになっていて、金岡さんの待つ姿勢が素晴らしい」といった意見が出されました。劇の指導をする前に劇中で登場する生き物を教室で飼育する、劇遊びでその生き物の踊りをする、劇指導中にも劇団員のゲスト指導、学芸会日記の宿題(書かないと給食おかわりなし!)、限られた予算での衣装、舞台づくりなど、総合的に計画され、見習いたい点がたくさんある実践でした。検証するとよい課題としては「つなぎの音楽の効果」「キンタロウの変容する所の指導」等が挙げられました。金岡さんからは「(充分な環境が整わない条件の中、子どもたちの成長を促す指導できたのは)千野さんの脚本が素晴らしかったおかげ」との感想があり、教材選び、脚本選びの重要性にも話題が及びました。これに関連する出席者の意見として、劇団四季のお話を20分にまとめて発表する実践が各校で散見されるが、聞こえや見栄えは良くなるかもしれないが、ただコピーするだけに終始してしまうと教育現場でやる意味のある実践にならない危険性がある。四季でやるのならば、①最低50分、子どもができるよう編曲、③オリジナルを見て子どもがどこをやるか考える、という条件を満たせばよい実践になるだろう、といった声がありました。また、保護者の関心を高め実際に学芸会に足を運んでもらうために、子どもに家で1分間CM(自分の役になりきってスピーチ)をすると効果的、といったアイディアも出ました。保護者の理解を得て進めていくことは大切なことだと思います。




4.実践研究会 来年度に向けて
 活動方針、担当者、日程、今年度のツアーについて話し合いました。これまで行ってきた太鼓や実践報告、相談、ゲーム、今年取り入れたアクティブラーニングとしての朗読劇のあり方の検討、と言ったことに加え、実践研の果たす役割を検討すること、論文ゼミをどこかでできないか等、新しい内容についても話し合いました。

 今年度の3月実践研ツアーは、柴又方面に決まりました! 参加される方は今井さんまでお申し込みください。3月26日(日)、集合は京成電鉄 柴又駅に13:00です(昼食は済ませてきてください)。帝釈天等を巡り、少し早めの夕食をとって解散となります。参加人数によって行き先やチケットの手配等、多少変わってくるかもしれませんので、お早めにご検討くださいませ。
【文責:伊藤 公大】

【脚本研究会】2月定例会報告

【日 時】平成29年2月10日(金)19:00~20:30
【会 場】成城学園初等学校 小会議室
【参加者】木村(た)、田中、保坂、森田、百合岡(計5名)

リーディング用脚本 今昔物語より
『高麗の笛』/森田勝也 補作・構成 

<作品について>
 時は平安時代。京の楽所に所属する伶人・狛の直方は、道中で出会った彩路という婢(はしため)に初めての恋をする。思いを募らせた直方は、唯一の財産である家を売り払い同僚に借金をして、彩路をこき使う地主の元から救い出す。つつましく、幸せに暮らす二人だったが、ある日、楽所から高麗の笛がなくなるという事件が起きる。

<作者より>
中学生以上を対象にした朗読劇。稲城の「朗読の会」(大人)で上演済み。日本語の美しさを伝えたいという思いから書いた作品。今昔物語にある「蘆刈の歌」を中心に、その他の話を組み合わせ、原作をかなり膨らませながら構成した。

<話し合いより>
・悲恋物語。読んでいてドキドキした。中学生というより大人向け?
 →(作者から)このくらいの色っぽさは、中学生に読ませてもよい。
・朗読劇は、本を読むのと違い文字からイメージできない。例えば、「狛の直方」の「狛」も、「こま」と聞くと別の文字を思い浮かべてしまう。音声だけで聞き手はどれだけイメージを膨らませ、どこまで日本語の美しさを感じることができるだろうか。
・(作者から)『今昔物語』を原語で読んでみたが、とても難解。杉本苑子の訳本を読んで内容を理解し、大まかな筋立てをして、構成しなおした。
・笛を盗んだ犯人は結局誰だったのだろう?
 →(作者から)そこを描くと、それだけで大作になってしまうので、あえてはっきりさせなかった。分からないままのことがあってもよいのではないか。
 →(参加者から)なくなった笛は、人生が変わるきっかけになるほどのもの。落としどころがないと、どこかすっきりしない。例えば直方を「笛の名手」とすれば、事件の犯人として疑われる伏線になる。
 →(作者から)「直方に嫉妬する同僚が盗んだ」などとすると、お決まりのパターン。納得はするけど安っぽくなる。説明すればするほどあざとくなってしまう。描きたかったのは最後の場面であり、女の切なさ。
 →(参加者から)タイトルにもなっている「高麗の笛」が、直方と彩路に何らかのつながりをもたせるとよいのでは。直方がこの笛を吹き、彩路がそれを聴く・・・という場面をつくるなど、二人の幸せの象徴として描くなど。
・ラストシーンの、彩路が直方の歌声を聴き分けるシーンがよい。前段にもそうしたシーンがあるとよいのでは。
・「相手のために身を引く=究極の愛」なのか?
→(一同)「うーん・・・。」でも、生きるか死ぬかの選択というくらい当時は生活がかかっていた。生きていくための、やむを得ない決断。「現代だったらどうなのかな」「心中?」「そういえば最近あまり聞かなくなったね・・・」「今の人には理解し難いことかもしれない」
→時代背景を踏まえながら、「自分を犠牲にしても愛する人を思う」という普遍的なテーマにつなげていけばよいのでは。
 ・彩路に求愛する「少将」がいい人すぎる?強引な悪役にした方が、ストーリー上はすっきりするのでは。
  →少将が非の打ち所のないいい人だからこそ、直方は嗚咽をこらえながら身を引こうと決意したのであり、そこに哀しさがある。
・直方の友人・虫麿とその女房のやりとりは、ちょっとコミカルでほっとする。演じる人によっていろんな味が出せるおいしい役。悲恋の物語なので、こういう登場人物が存在するのはよい。

◆小雪のちらつく寒い夜、インフルエンザで欠席される方もあり、こじんまりとした会となりました。今回は、いつもと違う大人向けの作品でしたので、話し合いもいつもと違う盛り上がり方でした。こじま飲み会でもこの話題で盛り上がること二時間!「愛とは」「幸せとは」「生きることの喜びと哀しみ」・・・と話は尽きず。しまいには劇作メンバーを勝手にキャスティングしてみたり(すみません)、主役の直方になりきって演じ始める人がいたりと、もうやりたい放題(笑)
◆参加者の感想より・・・「皆さんと話していて、『そういう考えもあるのか』と想像がすごく膨らんで、ワクワクドキドキした。俺が直方をやりたい!」(T氏)、「登場人物をいろんな人に当てはめて考えることによって、『あの人だったらこう言うかもしれない』と人物像が深まっていくのだなと分かった。」(H氏)、「児童劇ではないけれど、たまにはゼミでこういう作品があってもよいのかなと思った。人間の本質を考えることになるのだから。」(M氏)
◆ちょうどこの日、森田さんが投稿された意見文「子どもに『遊び』を取り戻そう」が日経新聞(2/10朝刊)の〈私見卓見〉欄に掲載されました!

◆次回のゼミは3月10日(金)19時~成城学園初等学校にて。作品提出は岸さん、千野さん、野口さんの予定です。皆様ぜひご参加下さい♪
【文責・百合岡】