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2019-03-26

【脚本研究会】3月定例会報告

【日 時】平成31年3月2日(土)8:50~12:00
【会 場】成城学園 澤柳記念講堂
【参加者】今井・新保・入野・久保・山本(留)・小宮(計6名)

3月の脚本研究会は、成城学園初等学校「第207回 劇の会」を観劇しました。
 「ジャーン、ジャーン」
劇の会は銅鑼の音で開幕!児童による4作品と、教職員劇『学級へいさ』(作:加藤陸雄)、合わせて5作品が上演されました。観劇後の感想を、参加者の皆さんの声からまとめました。

※青字は『劇の会パンフレット』より引用・抜粋したタイトル、作者、あらすじです。

◇3年桧組『春のカーテン』
(作:木村大望)
 「カタカタ森」という名前の森で、女神やせいれい、森の動物たちによるカーテン会議が開かれました。四季おりおりに合わせたカーテンを、選ばれた動物たちが作ります。動物たちは、春・夏・秋・冬のカーテンのじゅんびで大いそがしです。
ところがある日、大変なことがおこりました。おっとっと、それ以上はお楽しミーンでしたね。

 季節の変化をカーテンで表すのが素敵な設定で、「どんなカーテンなのだろう。」と観る側もワクワクして待った。色鮮やかで(色は大事)、舞台に春が来たなとほのぼのさせられた。また、舞台装置が固定されているのも3年生には動きやすい。雲の装置も素敵で吊りバトンがあることは羨ましい限り。3年生の子ども達は「表現したい!」という意欲に溢れていたが、きっちりと台詞劇だったので、もっと「あそび」があってもよさそうだ。登場人物(シカ・クマ・リスなど)に合わせた「カクカクシカジカ…」などの台詞は、教室で練習している時はノリノリで言っていたかもしれないが、広い舞台とホールゆえに、リズムよく声量で聞かせるには難しかったかもしれない。あそびは、もっと自由な発想でよいだろう。


◇4年楓組 『ありとキリギリス』
(作:イソップ 脚色:武田恭宗 潤色:菊地良幸)
 暑い夏の間、食べ物を運んでいるありたちの姿がありました。冬に備えて必死に働いているのです。その一方で、キリギリスたちは毎日歌ったり踊ったりする生活を送っています。寒い冬の季節がやってくると、冬の準備をしていなかったキリギリスたちは、おなかを空かせて凍える毎日を過ごすことになりました。さて、キリギリスたちはいったいどうなるのでしょう。 

 アリもキリギリスもグループとして集団で演じているのだが、そんな中にも、アリの9番、おしゃれなキリギリスなど、それぞれに個性が現れていた。台詞がないときでもよく動き、反応があり、両者の対比がどんどん鮮明になった。キリギリスの「ジジ(おじいさん)」「ババ(おばあさん)」を登場させ、溺れたアリを助けて改心した過去の回想シーンがあり、若いキリギリスたちとの対比もおもしろい。溺れる波の表現が舞台効果として美しい。ストーリーはイソップのお話通りだったが、「原作はどんなラストだったか?」と話題に上るような、参観者にとっては意外な展開で幕が閉じた。女王アリの一言はずっしりと重く…。

◇5年椿組 『将来の夢~夢を追う子どもたち』
(作:大友美幸[椿組児童])※児童創作劇
 小学生のアカリ、ハヤト、マイ、トオルには将来の夢があります。将来の夢の作文を書いている4人。作文が上手に書けない彼らの前に将とライという妖精がやってきます。妖精の力で4人は未来へ出かけていきますが。4人の夢は叶っているのでしょうか。みなさんも自分の将来について考えてくれたら嬉しいです。

5年生という微妙な時期の子ども達にピッタリと合っている。将来への思いを語る言葉も等身大でかっこいい。4人の登場人物が中心だが、それぞれの夢にも悩みにも個性が現れている。今の自分と未来の自分との出会いも楽しい。自分たちで場面転換する舞台装置はシンプルで、それほど込み入った場面設定ではないけれど、全体を通してまとまりがあるのは、伝えたいことはこれ!という共通の目的に絞っていった構成の力だろう。

◇6年柳組 『歌よよみがえれ』
(作:1984年合唱部児童 脚色:加藤陸雄)
 もうすぐ卒業!卒業前の合唱コンクールに絶対優勝したい!だから、朝練しない?ところが、クラス全員の気持ちはなかなか一つにまとまらず。そんな時、歌を禁止されたアルバーナ王国に入り込んでしまった子ども達。果たして歌を取り戻すことができるのでしょうか。                             

 1984年(35年前!)に書かれた作品だが、壁を乗り越えるという要素は、やはりドラマになると実感した舞台。ある女の子(合唱部員の一人)の泣き顔は美しかった。同じくなおや(合唱部員)の振る舞いに感心した人も。音楽の効果が表れていて、歌のもつ力が感じられた。曲、歌詞共に子ども達にも脚本にも合っていてジーン…泣いてしまった人は数知れず。ラストに出演者みんなが歌いながら手をつないだのは、段取りではなく自然発生だったのではないだろうか、素敵なシーンだった。

◇ 児童による創作劇については、前号の通信でも脚本研究会から報告されていたが、その楽しさがここでも話題に上った。5年生の作品は、大人が引っ張る劇ではなく、自分たちがやりたいことをもっていて、伝えたいという思いがストーリーに表れていた。脚本だけを読むとよくわからないものが、舞台に滲み出ていたのではないだろうか。「構成の力」と前述したが、子どもが創作することをおもしろがれること、先生に段取り力があることが、創作劇の完成までには大切ではないだろうか…それには、かなりのエネルギーが必要だが。今回の作品は場面が分割されているので、練習もしやすく、子どもたちが短期間でいろいろなアイディアを出して作っていけそうだという意見もあった。クラスで劇を演じると、クラスの様子が浮かび、教師と子ども達との関係も見えてくる。創作劇なら、なおさらであろう。

◇ 「アリとキリギリス」は、ハッピーエンドでは終わらなかった。児童劇はハッピーエンドで終わりたいという思いもあれば、考えさせる終わり方であって良いという意見もある。ラストシーンで何をどう描くのか、これからの脚本研でも注目してみたい。

◇ 学年それぞれに違いや味があり、あっという間の3時間であった。6年生の劇は「集大成」という感じが伝わってきた。上演学年が上がるに連れて、ざわざわしていた低学年の子も引き込まれていく姿が印象的であった。劇をする目標が「上手くなること」に留まらず、「劇を演ずるチャンスは、みんなにある」と子どもたちが思える場があるのは、本当に理想だ。成城学園初等学校の子ども達、教職員の皆様、本当に素敵な時間をありがとうございました!4月にも劇の会が予定されていますので(前号同封のチラシ)、みなさんも、是非足を運んでみられてはいかがでしょう。
            【文責:小宮】

*次回の脚本研究会は、翠会と合同で行います。
4月13日(土)14:30~ 会場:代々木オリンピックセンター

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